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2016 04,18 09:05 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.030 2016.04.18号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 今回は30号とキリ番ですので、また思い出話を書こうと思います。暇つぶしに読んでいただければ幸いです。時系列としては20・21号のコラムで書いたエピソードの後になります。 声についての知識も経験も乏しかった当時の私でしたが、試行錯誤の末、劇的に声が出るようになったSさんというケースを経験しました。 このエピソードを経て、私は声というものは不思議だ、そして、もっと声について知りたい、もっと声に詳しくなって声の問題を解決できるようになりたい、そう強く思うようになりました。 そう意識を変えて改めて周りを見てみると、私の勤めている病院には、声が出なかったり、声に問題がある患者さんが随分いることに気づきました。 当時私の勤めていたところは高齢者医療を専門的に行う研究機関も兼ねた病院であり、認知症を伴うような方を含め高齢者が非常に多かったのです。 こんなに声に問題がある方がいたなんて・・・。一体自分は今まで何を見ていたのだろう、と愕然としました。 とりあえず数人の方に発声トレーニングを試みてみました。内容は教科書的なことの見よう見まねです。 しかしいかんせん、思うように声はよくなりませんでした。少し良くなって行き詰まってしまったり、全く変わらなかったり、そもそも行ってくれなかったり。 Sさんに行ったような工夫も何の効果もありませんでした。手も足もでませんでした。 こりゃあダメだ・・・と私は思いました。声をよくするには、声の問題の原因がどこにあるのか突き止めるのが第一。 その上で原因を取り除くか、別の方法で補うようにすると良いだろうと考えていたのですが、そもそも声の問題の原因がどこにあるのかも皆目わかりませんでした。 そこをとばして闇雲にやってみたのですが、やっぱりダメだった、というわけです。 原因の見当がつかない理由は簡単で、私の声についての知識が本当に薄かったからです。なにしろ喉の筋肉には何があるのか、どうやって声が出るのかもうろ覚え状態でした。 これでは声の問題の原因がどこにあるのか突き止めるどころではありません。 自分でもここはちょっと曖昧だな、と思いながら学生時代おざなりにしていたツケが今頃回ってきたというわけです。 ここは一番正攻法で行くしかない、ということで、色々書店や図書館を巡り、これはという書籍は購入しました。 インターネットでも色々調べてみました。日本音声言語医学会が主催するセミナーにも参加しました。 ノートを作って自分になりにまとめ、わからないことは書き出し、わかった時点でノートに書き足していきました。日本音声言語医学会発行の聴覚判定ドリルDVDも繰り返しやりました。 そうこうするうちに知識は徐々についてきました。全く分からなかった状態から脱し、ようやく少しずつ分かるようになってきました。 しかしここでひとつ大きな問題がありました。それは発声指導の具体的な運び方がよくわからない、ということです。 プログラムは立てられるとして、どう声をかけたらいいのか、どんな言い方をしたらいいのか、どう始めてどう終わるのか、その具体的なことがよくわからなかったのです。 近県に見学に行けるような病院はありませんでした。つてもありませんでした。 こうなったら、と私は思いました。ボイス・トレーニング教室に潜り込むしかない、と。 (後編に続きます) PR |
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