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2017 10,02 07:32 |
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◆最新声文献 vol.052より
「Aerobic Exercise as a Warm-up for Singing: Acoustic Impacts」 Monica A. McHenry, Joseph Evans New York Medical College, Valhalla, New York Journal of Voice July 2017 Vol 31, Issue 4, p438-441 対象はボーカル・アカデミーの学生22名。 30分のエアロビの前と後に「星条旗(アメリカ国歌)」を歌わせた、 それで声量・ビブラート率・規則性が変化したか比べた、って研究。 結果、呼吸能力は変わったが、発声はほとんど変わらずだった、 歌唱は、呼吸器系・喉頭系・共鳴系のバランスで成り立つからねえ、 呼吸だけじゃないわねえ、 てな感じで著者らは結論づけてます。 まあ、そりゃそうです。 うまく歌うには、 声帯の微妙な調節が要るし、 声道での共鳴も要る。 呼吸だけ強くなっても、 歌がうまくはならんでしょう。 じゃあ歌に呼吸のウォームアップは必要ないね? いえいえ、それは早計です。 だって、そもそもエアロビは、 有酸素運動ではあるものの、 呼吸筋を鍛えるトレーニングじゃあありません。 ついでに鍛えられることはあっても、 主目的じゃないんです。 これを研究方法として選んだこと自体が、 あまりいいチョイスじゃなかったですねえ。 これが呼気筋の負荷運動トレーニングだったら? 結果が違った可能性は充分あるんじゃないかなあ。 それと測定項目と測定法。 ビブラートを測ってますが、 呼気ビブラートじゃないと、 呼吸の直接的影響はありません。 呼気ビブラートは初心者向き。 音楽学校の学生さんはあまり使わないかもしれません。 だったら差が出ないのは当然かも。 それと、声量の測定は歌の一部を切り取って比較してますが、 それ、差が出にくい場所だったかもしれません。 息継ぎの場所とか、曲の流れによってはありえます。 そもそも音楽学校の学生さん、 普段から呼吸筋が鍛えられていて、 エアロビ程度では差が生まれなかったって可能性、 これすら否定できないんじゃないかなあ。 比較対象になる一般人グループ、 それをもう一つ、作っとけば万全だった、惜しかった。 ということで、結果が違う可能性、まだまだ充分ありえます。 呼吸ウォームアップを軽視するのはまだ早い。 早合点はいけませんよ。 PR |
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