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2015 09,07 11:26 |
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声の相談室◆ vol.008 2015.05.18号より
☆ベテラン言語聴覚士が声に関するご相談にお答えします。 ご相談の概要は個人情報に配慮した上でメルマガに掲載、お答えの詳細はご相談者様に直接メールでお送りします。ご相談はメルマガ購読者であれば、どなたでもOKです☆ 【Q】多系統萎縮症の60代男性、かなりの嗄声が気になり、耳鼻科で左声帯麻痺と診断。努力性・粗ぞう性が混じっているような聴覚印象。 口唇・舌や明瞭さ・呼気の強さは保たれています。主治医からは制限はないのでどんどん声を鍛えてくださいとのこと。どんな発声練習をしたら良いでしょう? 【A】声が努力性・粗ぞう性であることから喉頭が過緊張になっていると予測されます。過緊張である場合は、筋緊張の軽減による動きの促進が主目的になります。 まず両側の喉頭ストレッチ・マッサージをたっぷりやって、あとは呼気強化を図ってから発声練習をh起声でやりましょう。 この場合は発声そのものが過緊張を促進してしまうので、いかに楽に声を出させるか、がポイントになります。 ウォームアップをたっぷりやった後、h起声で短く低い声を喉頭下部側方ストレッチをしながら出す、というやり方をすると成功率が高いでしょう。 うまくいかない場合は喉頭下部側方ストレッチの場所を変えて下さい。 さらに麻痺側の声帯位との関係ですが、固定されている声帯が正中位なら効果は出やすいと思われます。 中間位なら健側の喉頭ストレッチを組み合わせて健側の動きを促進し、声門閉鎖をさせやすくしてからh起声をするとよいでしょう。 開大位の場合は予後は最も不良ですが、麻痺側の喉頭ストレッチと健側の喉頭ストレッチを両方やって動きを少しでも良くすることを狙って実施してからh起声を試みるというやり方になります。 特に中間位・開大位の場合は、ストレッチ・マッサージ量を増やしましょう。ストレッチと同時発声も有効なことが多いと思います。 なお呼気はある程度充分でも強ければ声帯を振動させやすくなりますし、いざとなればファルセットを代わりに出させる方法もありますので呼気強化は多かれ少なかれやっておいて損はありません。 どちらの場合でも主に鍛えるのは健側です。健側が正中位を超えて声門閉鎖ができるようにすることを目指します。 麻痺が改善すればそれに越したことはありませんし、一応そちらにもアプローチをしますが、あくまで希望的観測で確実性をとるなら健側の強化です。 そこに発声を有利にするための環境整備として呼気筋力の強化が入るという構図です。そのようなバランスでプログラムは重点配分して下さい。 進行性の疾患ではありますが、健側の強化ですし他の機能も保たれているようなので 改善は充分ありえると思います。 改善してもいずれまた困難が生じるでしょうが、QOLとして考えるならば今改善させることには充分意味があると思います。嚥下にも有利に働くでしょう。ぜひ試してみて下さい ■QAコーナーへのご質問もお待ちしております。 → http://physiexvoice.client.jp/mail.html PR |
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