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2016 05,02 07:12 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.031 2016.05.02号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ (前編からの続き)心を入れ替えて基礎から声の勉強を始めた私ですが、いかんせん座学の悲しさ。発声指導の具体的な運び方が今ひとつわかりませんでした。 少しだけ資料VTRは見ましたが、全然足りませんでした。今ならyoutubeでいくらでも動画を見つけることができます。 しかし当時はyoutubeもニコニコ動画もありませんでした。近県に見学に行けるような病院もつてもありませんでした。 こうなったら、ボイス・トレーニング教室に潜り込むしかない、と私は思いました。 むしろそっちの方が営業としてやっているぶん、わかりやすくて学ぶべき点が多いかもしれない、そんな期待もありました。 さて、探してみるとこれまた色々とありました。プロ歌手向けから、カラオケ上達、アナウンス、朗読、演劇向けなどなど。 実に多様なニーズがあるものだ…と妙に感心しました。 その中にビジネスマン向けというのがありました。良い声を出して営業やプレゼンなどビジネスに生かそうというコースです。 これがいいのではないか、と早速申し込みました。 さて行ってみるとそこはスタジオを兼ねたいわゆる普通のボーカルスクールで、手広くやっているひとつとしてビジネスマン向けのコースも設けている、という感じでした。 コースの生徒は大学生やフレッシュマンの若者から中年男性まで様々。 理由も、上司から声が小さいと言われてという人や、人と喋るのが苦手でという人、就活に有利なようにという人までこれまた様々でした。 先生はいかにも業界の人、という感じのお洒落でダンディな40代の男性、快活でよく通る声、抑揚や身振りが大きく、ソフトな口調、そして笑顔が爽やかでした。 まず初めにストレッチ、そして腹式呼吸練習。しかしここでつまづく人がたくさんいるようでした。 そして発声練習ですが、先生はここでイメージの持ちようということを繰り返し繰り返し説明し、それは発声練習をさせている間も続きました。あとは基本その反復でした。 レッスンは他の生徒とペアを組まされて行うのですが、私はもともと知っていましたので腹式呼吸も発声法も、初めから難なくできてしまいました。 ところがペアの人が腹式呼吸からしてちっともできないのです。私はつい習慣で「もっと力を抜いて、ここをへこませて」などと言ってしまいました。 先生は怪訝な顔をして、「あなたは何かやっている人ですか」。私はしまったと思いましたが時すでに遅し。 恐縮して「言語聴覚士でして・・・声の勉強をもっとしたくて」というと、先生は「そうでしたか。私も資格を取ろうかと思ったことがありますよ」と、笑顔で言って下さってホッとしたりしました。 そんなこんなでこの体験は私には色々な意味で勉強になりました。 第一に声で悩んでいる方が想像以上に多いこと、第二に腹式呼吸でつまづいて先に進めない方がたくさんいること、 第三にイメージによるトレーニングは有効だがうまくできない人も多いこと、 さらに指導者の誘導はセリフだけが重要なのではなく、声や雰囲気やリズムそして勢いなどが総合されて効果を出すこと、などです。 この後、私は音大で教えている先生にも教わったりして、様子を掴んでいくことができました。 しかし、実際に目の前にいる患者さんたちの声を変えることができるようになるには、まだひとつ大きなハードルがあったのです。でもそれはまたの機会に。 PR |
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