2024 11,23 06:58 |
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
2016 05,16 06:10 |
|
◆気になるボイスコラム◆ vol.032 2016.05.16号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 胎教というのがありますね。クラシックなどの音楽を聴くとお腹の赤ちゃんの情操教育にいいという巷説です。胎教の一つとして英語教材を使うなんていうのも耳にします。 さてこのあたりどうなんでしょうか。もちろん充分に外界の音が聴こえないだろうことは想像に難くありません。 でも骨伝導でママの声なら聴こえるのだ、というありそうな説を聴くと、はてと思う気持ちもあります。 本当のところはどうなのでしょう。胎教はどう聴こえているのでしょうか。気になります。 発生学的にいうと、胎生4週ごろから耳の形成は始まりますが、音が聴こえるぐらいに耳ができ上がるのは胎生20週くらいのようです。 胎生28週を過ぎる頃には、ママの声に反応して動いたりすることがある、といわれています。 さて、胎児の聴こえを科学的に検証した実験は幾つかなされています。 たとえば帝京大学の名誉教授で耳鼻科医の田中美郷先生は、胃を子宮に見立て羊水の代わりに水を満たし、胃にマイクを仕込んで聴こえる外界の音を分析しています。 結果、聴こえるは聴こえるものの、音の大きさはかなり減衰し、外界の音を100%とすると体内の音は30%であったとのこと。 つまりかなり大音量でなければ聴こえないということです。しかも不明瞭で、口を手で塞いで喋ったようなこもった声に聴こえたそうです。 胎児は羊水に浮かんでいるため、水中で外界の音を聞くことになることが作用していると考えられます。 では骨伝導でママの声なら聴こえる、というのはどうでしょう。これもまた別の実験結果があります。 それによると、高音域と低音域の音が極端に減衰して聴こえず、そのためにかなり歪んで聴こえたとのこと。却って外界の音の方が歪んでいなくて聴きやすかったそうです。 実は骨伝導では音の減衰や反響というのがあり、いろんな経路で音が伝わるので音が重複したり一部が伝わらなかったりするのです。 骨伝導イヤホンというのがありますが、あれは耳のすぐ横や後ろに端子を当てますね。離れたところに当てると減衰してよく聴こえなくなってしまうためです。 ママの声帯から子宮はかなり離れていますから、ちょっと綺麗に聴くのは難しそうです。 さらに体内ではいろんな音が鳴っています。心音、血流音、呼吸音、消化器官の活動音など。お腹に耳を当ててみるとわかるでしょう。 これらは基本低音域の音です。この上に聴こえる音をかぶせるなら高音域の音ですが、高音域の音は減衰してしまって届きません。結局、少なくとも外界から音楽や、まして英語など聴かせてもほとんど耳には届かないと思われます。 といっても胎教が全く無意味なのではなく、ママが好きな音楽を聴いて落ち着き、リラックスした気分になることが胎児の環境としていいのは間違いありません。 ですから好きでもないクラシック曲をがまんして聴くことにはなんの意味もありません。要はママが楽しいかどうかなのでしょう。 ところで我が家でもその折には、夏川りみさんのCDを買ってきたりしたものですが、果たして効果があったのか今もって全くわかりません。 ちなみに誕生前の記憶がある子供がいる、と聞いたので、子供達が小さい頃に訊いてみました。 ところが期待はずれも甚だしく、子供たちはポカンとして、全くもって要領を得ない答えしか返ってきませんでした。まあこんなものかもしれないと思ったものでした。 PR |
|
忍者ブログ [PR] |