メルマガ「発声は面白くて深い!」記事
隔週刊メルマガ「発声は面白くて深い!Let's声の筋トレ」の主要記事です 発声運動エクセサイズ研究会発行
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渡邉 佳弘
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発声運動エクセサイズ研究会
性別:
男性
職業:
言語聴覚士、学術博士
自己紹介:
発声運動エクセサイズ研究会代表
このメルマガをきっかけとして、幅広い方々に面白くて深い発声という現象に興味を持っていただければ幸いです
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2016
09,05
04:01
【コラムその39】 ホーミーの謎の発声が気になる
CATEGORY[声のコラム]
◆気になるボイスコラム◆ vol.039 2016.09.05号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆
ホーミーの謎の発声が気になります。
ホーミーというのをご存知でしょうか。ホーミーとは、モンゴルおよびその周辺の民族に伝わる伝統歌唱なのですが、実に独特な声です。 ホーミーの意味は「喉の音楽」なのだそうですが、それはまさにぴったりという感じです。 なぜならホーミーの歌声は歌とか発声というよりもある種の楽器のような音色や響きで聴こえるからです。その証拠にホーミーは喉歌とか倍音唱法とも呼ばれるようです。 聴いたことない方、はてどんな声だったかなという方はぜひ以下のリンクで聴いてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=b3n3BdOQDIY
http://www.youtube.com/watch?v=NNVrmW0VL2I
どうでしょう。実に不思議な発声というほかありません。特に詠唱のようになる節の辺りでは、ちょっと人の声に聴こえないような音色をしています。 本当に一種の楽器のように思えるほどです。そしてこの音には空気混じりの口笛のような高音も混じって聴こえます。 そのためとても重層的な響きをもって聴こえ、それが大きなホーミーの特徴にもなっています。 ホーミーはユネスコのアジア太平洋地域無形文化遺産にもなっているようですが、果たしてどうやってこんな出しているのでしょう。謎です。気になります。
さて、一番目のリンクを聴くと、冒頭の際立って低音な部分と中盤以降の口笛のような高音が混じった楽器のように聴こえる部分に大きく分かれます。 このような二分が標準なのかどうなのかはわかりません。しかしとりあえず冒頭部分の低音の発声、この発声法は割と単純です。 これは専門用語で言う粗ぞう声というガラガラ声発声で、まず声帯をぐっと締めて強く緊張させ、その後でわずかに力を緩めるとこのような声を出すことができます。 ただ声道も緊張させると音が響かず小さい声になってしまうので、うまく声帯だけを緊張させねばなりません。修練は必要ですがまあ少し練習すればできると思います。
さて中盤以降の楽器のように聴こえる部分ですが、とりあえず発声そのものは上の低音発声と同じように声帯を強く緊張させて、声道を開けるというところも同じです。 ただしこれだけでは詩吟などと同じ発声なので、あの音色にはなりません。 口腔内をなんらかの形に変形させて響きを変え、あの音色を出さねばなりませんが、なにしろ通常ではありえない音色ですので、ちょっと想像もつかないような変形をしないと出ないと思われます。
調べてみました。典型的なホーミーの発声では、舌先の裏側を上あごの奥の方につけ、舌を巻きあげるようにしてから声を出しているそうです。 慣れてくれば、上あごに着けなくとも、舌と上あごの間にごく狭い隙間をあけただけで同様の音を発生させることができるようです。 これで合点がいきました。音は閉ざされた広い空間があると響いて共鳴します。トンネルとかそうですね。 口の中も同じこと。口の中で広い空間を作れれば声が反響して周波数が増幅され、響く声・深い声になります。典型的にはオペラやクラシック歌唱です。 通常の歌唱ではこの空間は口の中だけなのでひとつですが、ホーミーは舌で口の中を二つに仕切っています。 つまりひとつの空間で響かせた音を次の空間でまた響かせる、という芸当をしていることになります。 これにより通常よりも強い響き、つまり倍音を作り出し、あの音色を出しているのです。
さらにあの口笛のような息の混じった高音ですが、これは舌先と上あごのすき間を息が通る時に鳴っている音と思われます。 ないしょ話の「しー」などと似たようなものですが、もっとすき間を狭くして笛のような音にしている、というわけでしょう。
なお二番目のリンクでは、ホーミーには、唇のホーミー・上あごのホーミー・喉のホーミー・鼻のホーミー・胸のホーミー・言葉と一緒のホーミーの6種類がある、といっています。 これらは音色は違って聴こえますが、基本的には皆同じ発声法で作られています。 最も狭くしている場所、もしくは緊張させている場所を変えることにより違いを出している、という感じでしょう。
ところでロシア科学アカデミーの研究者がこの歌唱法について調査したところでは、ネイティブトルコ人たちは特殊な声帯を持っており、 この声帯によって複雑な歌唱を実現しているとか。 またヨーロッパ人はネイティブトルコ人たちのような喉の構造を持っていないため、ホーミーができないことを示唆した、とのことです。 詳しくはわかりませんが、コーカソイドのヨーロッパ人とモンゴロイドで喉の構造に違いがあるといえばそうかもしれません。 であれば同じモンゴロイドである日本人ならホーミーはやりやすいかもしれません。 ホーミー、やってみたいような気がします。 ただし喉には相当な負担はかかると思います。
ホーミーが気になります。
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