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2016 09,19 18:33 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.040 2016.09.19号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 今号はメルマガ40号。キリ番号ですので、またまたながら思い出話を書こうかと思います。 前回30号では、発声練習の進め方が分からず、ボイトレ教室に潜り込んだりして、徐々にコツを掴んでいったお話を書きました。 さて知識はついた、進め方もだいたい分かった、これで大丈夫なはずでした。ところがさにあらず。 目の前の患者さんたちの声を変えるには、まだひとつ大きなハードルがあったのです。 それは、目の前の患者さんたちのほとんどがかなりの高齢者であったことでした。当時の私の勤め先は高齢者専門の機関だったので高齢者ばかりなのは必然でした。 高齢者だと何が問題かというと、ちょっとでも慣れないとか、分かりにくいこととかは、続けてもらえなかったり、拒否されたり、そもそも手順が理解されなかったりするのです。 腹式呼吸などでもかなり難しく、ましてあくび−ため息法とか、吸気発声とか、チューブ発声法とか、方法はたくさんあるのに、 やってもらおうとすると難しくてできない方法がゴロゴロありました。それこそ使える方法がほとんどないという人も大勢いました。 しかしその中でほぼ唯一、誰にでもスムーズに行うことができた方法があったのです。それが喉頭マッサージでした。 分かりにくい手順の理解や受け入れがほぼ必要のない方法なので当然といえば当然でしたが、実際これをすることで少し声が良くなった、というケースが少なからずありました。 こうなればこれを推していくしかない、そう思いました。 しかし、喉頭マッサージは正直やり方がよく分かりませんでした。 マッサージすべき筋肉の場所は分かるのですが、そもそもマッサージというものはどうやってやるものなのか、理屈はどうなっているのか、禁忌はないのか、一切分かりませんでした。 言語聴覚士は解剖学などは習いますが、運動学・運動療法学などはカリキュラムにないので、だいたいが筋肉の扱いについては疎いのです。 さらに高齢の患者さんには息そのものがとても弱い人がたくさんいました。声をしっかり出してもらおうにもそもそも息が弱いので出しようがないのです。 触ってみると呼吸筋はガチガチに硬く、しかもやせ細っていて、とても大きく吸ったり、強く吐いたりできそうにありませんでした。 腹式呼吸なんてましてや無理という感じでした。 これはまず呼吸筋から変えないとどうにもならないだろう、このガチガチをほぐすところから始めないと。そう思いました。 しかしいかんせん。筋肉関連はさっぱり弱いところです。さてどうするか。 同僚の理学療法士に教わる方法もありました。実際少し教えても貰いました。しかしこの時ひとつ思い出したことがあったのです。 それは私がかつて一緒に仕事をした尊敬するある理学療法士の言葉です。 私が、腕のいい理学療法士は何が違うのか、と訊ねてみたところ、その理学療法士の答えは「筋肉の触り方で腕の違いが出る」でした。 これは衝撃でした。筋肉の状態を把握し、それに触り方を合わせる。そんな世界があるなんて、考えたこともありませんでした。 私もどうせなら筋肉の触り方から学びたい。できれば筋肉の状態に合わせた触り方ができるようになりたい。 それにはちょっと教わるのではなく、学校などで本格的に学ぶ必要があるだろう。どんな方法があるか。調べてみました。 本格的というならあんま・マッサージ師という資格があります。しかしこれは3年間学校に通う必要があるようでした。 ちょっと時間がかかりすぎ、という感じでこれは断念しました。柔道整復師・鍼灸師も同じような感じでした。 その中に整体師というものがありました。これははっきりとした資格はないのですが、かわりに修業年限もまちまちでした。 これがいいかも、そう思っていろいろな整体学校を調べてみました。 するとこれがまたいろいろ。私は整体というと首をゴキっと回すようなやつかと思っていたのですが、むしろそういうのは少数派で、 マッサージっぽいテクニックを中心とした学校、揉みほぐしを中心として教えている学校から、 ツボ押しや経絡といった東洋医学的な考えに基づく学校、ヨガっぽい教えの学校、気をめぐらすというニューエイジっぽい学校まで実に様々でした。 私は若い頃はちょっと気功のセミナーに行ってみたりとかそういうのも好きだったのですが、 今回はしっかり科学的な解剖・生理に基づいた納得のいくテクニックを教えてくれるところ、ということで探しました。 すると運のいいことにちょうどひとついいところがありました。学校は夜間や土曜日に開講しており、仕事を続けながら学べそうでした。 距離的にも充分通える場所にありました。学費もそれほど高くありませんでした。早速見学に行き、入学を決めました。 さてその整体学校で私は驚嘆することになるのですが、続きはまた次号で。 PR |
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