2024 11,23 06:25 |
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2015 04,20 06:02 |
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◆発声のワンポイント解説◆ vol.006 2015.04.20号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆ 歳をとると誰でも疲れやすくなったり転びやすくなったりします。これは筋力が衰えるためです。筋力の衰えは筋肉の量が減少することにより起こりますが、筋肉量の減少は、筋繊維の数が減ることと筋繊維自体が萎縮することにより起こります。 筋繊維の数が減るのは歳をとると筋肉の材料となるタンパク質の合成能力が低下するためです。高齢者では若年者と比べてタンパク質の合成により多くのアミノ酸が必要なことが近年わかってきました。筋量は50歳を越えると急激に減少をはじめ、1年に1%くらいの割合で減少します。75歳頃には若い頃のおよそ半分の量にまで減少してしまいます。 もうひとつの筋繊維の萎縮は不活動により生じます。不活動状態が続くと代謝が低下するため、タンパク質合成より分解の方が多くなることで、筋の容量が少なくなり、筋委縮が起こってしまいます。筋委縮は筋力低下を引き起こしますが、安静による筋力低下は、健康な人でも1週目で20%、2週目で40%、3週目で60%と言われています。歳を取ってくると活動量が減り不活動状態が続きがちになってしまいますが、筋委縮により筋力は50歳以降10年間に15%ずつ減少するといわれています。 さらに筋肉には遅筋と速筋があります。遅筋とは運動速度は遅いが疲労しにくく長い間力を発揮し続けられる、いわゆるマグロタイプの筋肉です。マラソンなど持久力が求められる選手には遅筋が多く見られます。一方、速筋とは運動速度が速く瞬間的に力を発揮できる、いわゆるヒラメタイプの筋肉です。短距離走選手などには速筋が多く見られます。歳を取ると速筋・遅筋共に数が減りますが、萎縮は遅筋では比較的軽度で、速筋の方がより多く失われます。そのためお年寄りは素早い運動ができなくなります。なお、不活動状態が続くと今度は遅筋も減少してきますので、お年寄りはできるだけ不活動状態を続けないことが大切です。 さて従来、遅筋と速筋の割合はトレーニングしても変わらないと考えられていましたが、近年、瞬発的なトレーニングをすると速筋に、持久的なトレーニングをすると遅筋に変化することがわかってきました。これはお年寄りでも同様です。軽い運動でもお年寄りにはかなりの運動になりますので、軽めの瞬発的なトレーニングを行って筋力の維持向上を図ることが充分可能です。 お年寄りで声が出しにくい場合は概ね呼吸筋の筋力不足が原因です。呼吸筋の瞬発的トレーニングを行って発声を促し、続けて持久的トレーニングを行うのが良いと思われます。 PR |
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