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2015 04,20 06:01 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.006 2015.04.20号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 集団アイドル歌手の声が気になります。 典型的に言えば今ならAK○ということになりますが、なんであんなに大勢で一緒に歌うんでしょうか。だってあんなに大勢でいると誰が誰の声かわからないし、前列中央以外は顔もよく見えないし、衣装代やらコストもかかるじゃないですか。もちろん迫力はあるでしょうが、それにしてもあそこまで多人数にしなくてもいいと思います。大勢で歌うと何かいいことがあるんでしょうか。 プロデュース面などはよく分かりませんが、ともかくも声についていえば色々な意味で補い合えるというメリットはあると思います。一番は歌う時の音程の安定性でしょう。地声のメロディで音を外してしまうほど酷いことはさすがにないでしょうが、地声近くから急に高い音を出すような旋律のところではやっぱり音を外しやすいものです。急な高音発声の歌はアイドルだけでなくベテランの有名歌手でも難しいようで、聴いていると一気に高い音を出さず、半音下がった音から入ったり、声量を下げて入って徐々に上げたり、一拍遅れて入ったり、ハスキー音にして入ったりといった感じで、思ったより多くの歌手がストレートに高音を出さず何がしかの工夫を入れています。一度注目して聴いてみると興味深いでしょう。まあベテランはそれを味のようにみせているわけで、それはそれで芸なのですが、つまりそれほど高音発声をコントロールするのは難しいということです。 高い音を出す時には喉頭の輪状甲状関節を動かして声帯をひっぱりピンと張らせることで高い音を実現させるわけですが、上手にやらないとひっぱりすぎちゃいますし、さらに輪状甲状関節を動かす筋肉と一緒に他の喉の筋肉にも力を入れてしまって、喉頭前庭という声帯の上の空間が狭くなり、声がくぐもったり苦しそうな声になったりしてしまいます。このあたりも歌を聴かせるには望ましくない要素です。大体のサビは高音の旋律になっていますが、せっかくのサビの歌声が小さくては聴こえませんし盛り上がりません。綺麗なメロディが苦しそうな歌声で聴こえてきたら感動するより興ざめですよね。うまく声を出すためにはこの微妙な調節を瞬時にやらないといけないのです。 というわけでひとりきりでは音が外れたり声が小さくなったり苦しそうになったりして聞き苦しくなってしまいがちな高音発声も、大勢いれば誰かがその音を適切に出してくれて補ってもらえるので万事OKというものです。分業制というわけですね。まだ味にみせるテクニックを持たないアイドルには格好の方法です。 いやそんなレベルは求めてないよ、アイドルは下手なのがいいんだ、それが味だ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、物には限度があります。私は一度何かのネット生番組で二日前デビューしたばかり、という集団アイドルグループの歌を聴いたのですが、ちょっと人前に出すレベルでないというか、これをまた聴きたいという人がいるのかという感じでした。それ以来、私はAK○は大したものだと思うようになったのです。少なくとも不快にならないような配慮がされていますからね。その証拠にその某グループは全くメジャーになることなく消えてしまいました。下手を味にするようでは一部のマニアには受けてもメジャーになることはとても無理でしょう。見た目だけではどうにもならない壁があるのです。つまり集団でも全員発声がダメではどうにもならず、比較的声が出せて他の人のカバーができる人がある程度いないと成立しないと思います。 さてAK○の成功以来、そのシェアを奪おうと集団アイドルは次から次へと生まれては消えていっているらしいですが、私は聞く機会があるとこれは残りそうな声か消えそうな声か、密かに賭けをしています。アイドルは声だけではないでしょうが、少なくとも一定のレベルの声は必要というのが私の仮説です。果たして証明されるかどうか。 集団アイドル歌手の声がとっても気になります。 PR |
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