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2018 01,08 11:25 |
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◆声本時評 vol.054より
「生きていく食事 神足裕司は甘いで目覚めた」 神足 裕司, 神足 明子 (著) 主婦の友社 (2014) 神足裕司さんといえば、往年の人気コラムニスト。 80年代に流行語になった「マル金・マルビ」は第1回流行語大賞。 西原理恵子さんとの共著『恨ミシュラン』はベストセラー。 グルメでも有名。 コメンテーター、TV、ラジオと、 露出もとっても多かった。 私も、神足さんのラジオのリスナーでした。 それが2011年、 くも膜下出血を発症。 左片麻痺と高次脳機能障害で要介護5の車椅子生活。 この本は、その後の神足さんの、 食を巡るご本人と奥様によるコラムです。 グルメだった神足さん、 病後急に甘いものに反応するようになったとか、 キザミ食がどうしても進まないとか、 水分摂取が捗らず、特別な豆のコーヒーで誘ったとか、 食が関わる病状の実にリアルなエピソードが満載。 これを読むと、神足さんの回復に、 食がとても重要な役割を果たしたことがよく分かります。 日常この手のことを生業にしてる自分としては、 実にリアルで興味深い本でした。 ところで神足さん、 病後ほとんど喋れなくなってしまったとのこと。 話しかけても、 聴いてるのか聴いてないのかといった感じで、 反応がないか、ニコニコしているか、 とにかくほとんどそんな様子だそうです。 失語症ではないようです。 時折、ボソッとちゃんと長い文章を喋るそうですから、 失語症ではありえません。 なによりペンを持たせると、 思っていることを 書けるそうです。 『西原とは神保町のカニ鍋』 みたいに。 さすが文筆業。 というか珍しいです。 なかなかそんな方はいらっしゃいません。 ただ何を書くかは本人次第。 この本のコラムもそうやってできてます。 本人によると、 なぜ喋れないか、自分でもよく分からないそう。 しゃべれないというと、 まず失語症か、もしくは発声障害、 あるいは前頭葉障害による自発性低下あたりが相場ですが、 どうも神足さんはどれも違うようです。 たぶん、言語性限局の自発性低下、 あるいは前頭葉性mutismかなと。 ここまでの方は滅多にありませんが、ないこともない。 どうでしょう。 いずれにしろ要介護5にも関わらず、 ご本人の興味・特技を伸ばし、 できる形で社会復帰を果たしていらっしゃる。 とっても素晴らしいです。 ご家族とご友人の支援があったればのことでしょう。 西原理恵子さんのイラストも絶妙でした。 ただリハビリが。 もうちょっと活躍して欲しいなあ。 PR |
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