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2015 06,01 10:39 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.009 2015.06.01号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ スポーツ選手の声枯れが気になります。 スポーツ選手って声が枯れている人が多いようなイメージがあります。全てのスポーツに渡ってというわけではないのですが、力士やプロレスラー、柔道の重量クラスの選手のような、持久力よりも瞬発的な筋力を要するような種目の選手に特にハスキーボイスが多いような気がします。どうしてなんでしょうか。 まず声枯れについておさらいしておくと、「声が枯れる」というのは一時的に声がしゃがれることをといいます。これは誰でもが経験することで、ほとんどが風邪の時か、長時間発声した後に起こります。 風邪で声が枯れるのは、ウィルス等により声帯に炎症が起こって声帯粘膜が腫れてしまったか、咳による強い声門閉鎖を繰り返した結果、声帯粘膜が腫れてしまったことが原因です。声帯粘膜は腫れると柔軟性が低下し、声門に隙間ができて声門閉鎖不全になります。どちらも診断名は急性喉頭炎です。 長時間の発声で枯れるのは、喉頭炎が原因のときと、筋疲労が原因のときがあります。喉頭炎の場合は上と同じで声帯が腫れてしまっています。声としては粗ぞう声というガラガラ声になることが多いようです。筋疲労の場合は声帯筋が疲れて動かなくなっているので声帯が充分閉じず気息声というかすれ声になります。回復の仕方も、喉頭炎は腫れが引かないと治らないのである程度の期間が必要です。筋疲労は休息すれば治りますので比較的早期に治ります。 しかしこれらはどの道一時的なものでいずれ元に戻ります。これがずっと続いて起こるのは「コラムその4 ハスキーボイスが気になる」でも書いたように、声帯にタコのような結節やポリープが出来てしまっている場合です。 さてそれでスポーツ選手の声枯れですが、風邪を引いているわけではないでしょう。掛け声は相撲でも柔道でもプロレスでもそこそこは掛けるでしょうが、長時間の発声というほどでもないと思います。声帯粘膜の酷使というほどにはならないのではないでしょか。少なくともカラオケの方がよっぽど声を出していると思います。となるとここにそれほどの原因はみあたらないようです。 調べてみると、実はこれらのスポーツ選手に声枯れが多いのは声帯に脂肪がついているからだそうです。体重により勝敗が左右される競技の選手は体重を増加させるために高カロリーの食事を取るそうですが、体重のコントロールは脂肪がもっとも容易であるので、結局全身に脂肪がつくことになるそうです。それで通常ではあまり脂肪がつかない声帯にも脂肪がつくので、声帯に隙間ができ声枯れのようなハスキーボイスになるというわけです。割とこもった声に聴こえるのも声道に脂肪がついて狭くなっているからですね。 ところで瞬発的な筋力を要するスポーツではよく「えい!」とか「はあっ!」とか掛け声を掛けますね。テニスとか剣道などが代表的なイメージです。これは声帯を締めるという動作(筋収縮)が、スポーツの動作をする際の筋収縮と協調することにより一層の収縮を促し目標筋のパワーを引き出せるからです。奥歯を噛みしめても同じ効果があります。ただしこの掛け声は咳による強い声門閉鎖と似たような原理ですので、喉頭炎の原因にはなりえます。注意が必要ですね。 さてこれで謎はずいぶん解けたようですが、スポーツの中には瞬発的な筋力を要するような種目ながら基本掛け声をあまり描けない種目もあります。サッカーとかはそうですよね。そしてサッカー選手はどう見てもあまり脂肪が多そうにはみえません。にも関わらず声枯れが目立つ方が結構いらっしゃいます。女子サッカー選手などは特にそうです。これはどうしてなんでしょうか。 というわけでまだまだ謎は解けません。 スポーツ選手の声枯れがまだまだ気になります。 PR |
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