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2015 07,20 03:31 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.012 2015.07.20号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 入試や採用試験の面接とか、大勢の前でしゃべらなければならない時ってものすごく緊張しますね。緊張してアガってしまうと、声って震えてしまったり上ずってしまったりします。私にも経験がありますが、声が震えて、今緊張している!と思うとますます緊張が強くなってしまって、もう自分でもどうにもならなくなってしまったりします。緊張した場面というのは声に何が起こっているんでしょうか。またどうして緊張するとこうなってしまうのでしょうか。考えてみると気になります。 緊張して声に起こる現象は、1)声の震え、2)声のかすれ、3)声の裏返り(翻転)・ピッチ上昇、といったところでしょうか。 声の震えはどこから来るのかというとこれは呼吸筋になります。声は呼気筋が働いて息を出すことによって出るわけですが、この呼気筋が緊張で震えてしまい、スムーズに息を吐けず、断続的になってしまった結果、あのような震え声になります。 緊張すると声はなぜかすれるのでしょう。これはおそらく声帯粘膜です。声帯は声帯筋を声帯粘膜という軟らかいカバーが覆っているような構造になっています。この声帯粘膜が滑らかに動くと綺麗な声が出るわけですが、この声帯筋が緊張でかちかちになってしまって、その上の声帯粘膜の動きも滑らかでなくなってしまっている、と考えられます。 かすれについてはもうひとつ。緊張すると喉が渇きますね。なぜか。緊張すると心拍数が上がって呼吸が速くなります。そうすると呼気・吸気が普段よりも頻繁に気道を通ります。息が頻繁に通ると風にさらされて声帯粘膜の水分が減って乾燥してしまいます。声帯粘膜は湿っていないと滑らかな動きができないため、結果かすれ声になってしまいます。 緊張による声の翻転やピッチ上昇、つまり裏返ったり高くなったりの原因は声帯筋です。緊張すると筋肉は硬くなりますが、それだけでなく筋肉のコントロールも充分効かなくなってしまいます。よくあるのは緊張して筋肉が硬くなり動きにくくなっているので思い切って動かそうとして力を入れすぎてしまった場合。もうひとつは舞い上がって冷静な判断ができなくなり、思い切り力を入れすぎてしまった場合。声帯に力をいれると声帯は引っ張られるので、声は高くなります。時には引っ張りすぎて翻転してしまうこともあります。このあたりが原因といえるでしょう。 ところでどうして緊張すると力が入ってしまったり、震えたりするのでしょうか。力が入るのは、自律神経系のうちの交感神経の働きによるものです。血圧上昇とか動悸と一緒で、ノルアドレナリンという物質が分泌されることにより生じます。 さてではなぜ緊張場面で交感神経が働き力が入るのかというと、まあアイドリング状態ということですね。一種の危機場面ですから筋肉に力を込めてすぐに危険に対処できるようにということだと思います。と言う割には緊張しすぎて動きが鈍くなってしまったりなんていう本末転倒な現象もありますので、危機対処としてはそれほど優秀なシステムとはいえない気もしますが。 さらに緊張した時に起こる震えは動きが余計に阻害されるなどリスクばかり目立って合理的な理由が見当たりません。それとも分かりやすい警告システムなんでしょうか。寒いときに起こる震えは振動により体温上昇を図るという合理的な理由があるのですが。 私も今は人前で話す機会が結構多いので慣れてしまいましたが、昔は大変緊張しました。初めて学会で発表した時などは緊張してどうにかなってしまいそうでしたので、やたら大声を張り上げて原稿を読んだりしました。不思議なことに大声を出していると緊張はどこかに行ってしまうのですが、会場の出席者にはまるで選手宣誓のように聴こえたかもしれません。 というわけで、緊張した場面での声が気になります。 PR |
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