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2016 10,17 11:11 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.042 2016.10.17号 より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ ヘリウム発声が気になります。 皆さんもテレビなどでみたことがあるでしょう。ヘリウムガスを吸って声を出すと不思議な声になります。 目立つ特徴として音域が高くなりますが、それだけではありません。ヘリウム発声って、単にその人がまた高い声を出したな、という感じじゃないでしょう? 普通では出ないような、ボコーダーで加工したような、なんとなく人工的な感じの声に変化するように思います。 ヘリウム発声はアヒルのような独特な声なので、俗に「ドナルドダック効果」とも呼ばれているようです。 なおヘリウムガスは、空気よりも軽いので、アドバルーンや風船、パーティーグッズなどによく使われており、 パーティーグッズのヘリウムガスはヘリウム80%・酸素20%の混合で、無臭・無味・無毒、血液に溶けにくいので、安心して使えるのだそうです。 さて、なぜヘリウムガスで声が変わるのか。 声は音です。音というのは空気の振動です。空気全体が動けば、風が吹いたということになりますが、空気の振動が伝われば、音が伝わったということになります。 つまり空気の振動が人間の耳の鼓膜を揺らすと人間はそれを音として感知します。 あるいは、空気振動がマイクの振動板を揺らすと振動が電気信号に変換され、機械が信号を処理して、録音したり音を増幅したりします。 この空気の振動数の多い音を人間は高い音と感じ、少ない音を低い音と感じます。1秒間の振動数(周波数)が1回のものが1ヘルツ(Hz)です。 ピアノの鍵盤の真ん中のドの音は 261.6Hz くらい、その5つ右のラの音は 440Hz です。人間の耳は20~20000 Hz くらいの音を聴くことができます。 で、なぜヘリウムガスで声が変わるのか、ということですが、ヘリウムガスは空気よりも軽く密度も小さい気体です。 軽くて密度も小さいので、同じ力で振動を起こすと気体抵抗が少ないので振動がより素早く数多く起こります。 つまり振動数が多くなるわけです。それによって高い声になるというわけです。 そしてあの独特のヘリウム発声の響きですが、同じ高さの音、つまり同じ振動数の音であっても楽器によって違う音に聴こえます。 これは空気振動の波形が異なるからです。同じ高さでも、ピアノとバイオリンで音が違って聴こえるのは、波形が違うためです。 ヘリウムガスは軽くて密度も小さいので、声帯の振動数が変わるだけでなく、波形も変わってしまうと考えられます。 これにより声が高くなるだけでなく、独特な響きになると考えられます。 というこのヘリウム発声ですが、「おかしな声だね、ハハハ」で終わらせるのはもったいないように思います。なにか発声トレーニングに使えないでしょうか。 発声練習の途上では声帯に過剰な力が入ってしまう場合が多く、あの手この手で力が入らないように工夫します。 あくびをさせたり、笑わせたり、吸気発声をさせたり、舌の先に響くようにイメージさせたり。 だったらヘリウム発声はどうでしょう。 これならなんの努力も要りません。あくびやらイメージやらは、いざやるとなるとやっぱり結構うまくできないものです。 ヘリウムの声だと思わず笑ってしまったりして、力も抜けやすいんじゃないでしょうか。 これを導入部に使って発声練習をし、ヘリウムが切れてくればだんだん普通の声になりますから、自然な形で普通の発声練習に移行することができそうです。 繰り返していればコツを掴んでどんどんうまい声が出るという感じに行かないでしょうか。 なにより方法が簡単ですし、試してみるぐらいはやってみてもいいかもしれません。 というわけで、ヘリウム発声が気になります。 PR |
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