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2016 11,07 06:27 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.043 2016.11.07号 より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 子供っぽい声と子供の声の違いが気になります。 子供っぽい声の人っていますよね。また大人の女性声優さんが子供の声を演じることは普通にあるようです。 でもいくら子供っぽいといっても本当に子供と同じ声ではないような気がします。 電話のように聞こえづらい場合は別として、声だけ聴いて子供と間違えてしまう、なんてことは実際には起こらないんじゃないでしょうか。 なお、この場合の子供というのは幼児から小学生程度を想定した話です。 例えばジブリをはじめとする多くの国内アニメ作品で、声優さんが当てている子供の声の演技はとても素晴らしいものも多いわけですが、 ああこれは本当にその年齢程度の子供が演じているな、と思わされることはまずありません。 一方、ディズニー作品の吹替版では基本的に子供の声は子役さんたちが当てているようなのですが、こっちは疑いなく本当に子供が演じていると感じます。 演出上どちらが効果的かはここでは関係ないので触れませんが、違いを感じてしまうのは演技ということではなく、発声の何かが違うのではないかと思います。 それはなんでしょう。気になります。 さて、子供の声の特徴というと第一には高いことですね。成人女性の声の平均基本周波数が250~500Hzであるのに対し、子供の声は300~800Hzといわれています。 成人男性は80~150Hzですので、子供の声と全く重なりませんが、成人女性なら重なっていますので、子供に近い声を出せるのもうなずけます。 とはいっても高くすれば子供の声になる、という単純な話ではないようです。 ピンクの電話の清水よし子さんとか、声優の金田朋子さん、林家パー子さん、元マラソン選手の松野明美さんらは、皆かなり地声が高いですが、やっぱり子供の声と聴き間違えたりはしません。 なお、ここでは語尾の上げ伸ばしとか、未熟な発音とか、話す内容とか、声以外の要素は省きます。 単に「ああ」とか「うん」「え〜?」など相槌のような発声だけでも子供の声と子供っぽい声は違うように思えるからです。 となるとなんでしょう。 実は子供の声と子供っぽい声の違いは響きにあるのではないか、という話があります。 子供の声は響きが少ないので浅い、いわゆる深みのない声になっている、というものです。 深みがないというのは分かりにくい表現ですが、私たちは音を聴いた時、楽器でいう和音のように音が幾重にも重なっていると深く感じ、重なっていない単純な音だと浅いと感じるのです。 さて、声は声帯で作られた後、喉頭腔・咽頭腔・口腔を通って唇から発せられますが、この喉頭腔・咽頭腔・口腔という声の通り道、 つまり声道で反響することによりそれぞれの独特な声になります。 声道の長さは成人と10歳の子供では約24%ほど子供の方が短いとされていますが、声道の長さが違えば、反響の仕方も違ってきます。 反響場所が多いほど響きは多くなり音は複雑になりますから、声道の長い大人の声は自然に深くなる、というわけです。 実際、音響分析をすると子供の声は第一フォルマントという周波数帯域の音が大人よりも少ないと言われています。 つまり大人はいくら声を高くしても、声道の構造上、音が幾重にも響いてしまうので完全に子供の声を出すことはできないということになります。 子供っぽい声と子供の声の違いはここにあると考えられます。 ところで最近、「3月のライオン」というアニメ作品を見る機会があったのですが、登場人物のひとりの声を聴いて、珍しい、本当の子役ではないか? と思わされました。 ところがこれがれっきとした女性声優さんで久野美咲さんとおっしゃる方でした。幼い子のリアルな声、が特徴なのだとか。 どうしてこのような声が出せるのでしょう。なにか秘訣があるのでしょうか。まだまだ気になります。 PR |
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