2024 11,23 06:37 |
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2016 12,05 05:10 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.045 2016.12.05号 より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 私はふだん言語聴覚士として多くの患者さんと接していますが、新人の理学療法士や作業療法士、特に言語聴覚士が患者さんに話しかけている声を聴くと大変気になります。 それは、ああ、声が患者さんに届いていない・・・、そんな感じがものすごくするからです。 別に私の勝手な思い込みではありません。現実に、話しかけられた側の患者さんの反応が新人とベテランとで違うのです。 特にご高齢の方で顕著な気がします。新人にはうなづくぐらいしか反応しない人が、ベテランには言葉で返事して、さらに笑顔まで見せたりする、なんてことは珍しくもないのです。 若者は心がこもってないから、みたいなありふれた精神論で片づけたくはありません。 事実、新人たちはみな一生懸命やっています。 声も大きな声を出しています。決して声が小さくて聴こえない、というわけではありません。声は大きいのにどうしてこんな差が出るのでしょう? ちなみに若いから軽んじられている、というわけでもなさそうです。20代後半〜30代の新人は珍しくありません。 外見ではキャリア十数年の30代と新人の30代の区別はつかないのです。 身振りとか表情、という声以外の要素もあると思いますが、やっぱり声そのものにも差があるように感じます。 なぜなら、新人の声は聴くだけで、いかにも新人、と分かるのです。さて、ベテランと新人は何が違うのでしょうか。 どうもそれは声の響き、なのではないかと思います。新人は声の響きがベテランに比べて乏しく、少しこもったような音色に感じます。 ついでに抑揚にも少し乏しいかもしれません。逆にいうと抑揚を少し乏しくしてこもりがちな感じにすると新人ぽくなるともいえます。 新人のうちは慣れていませんから当然緊張しています。精神的な緊張は身体的な緊張を生じさせます。全身の緊張は喉頭および声道の筋肉も緊張させ、結果声道が狭くなり、少しこもったような響きになっている、というのはありそうな話です。 抑揚の乏しさも同じく喉頭の緊張で説明できそうです。 通らない声は、耳が遠くなってきている高齢者には、やはり聞き取りにくいのかも知れません。 抑揚はことばの理解の助けになりますので、抑揚が乏しいと聴いたことばが分かりにくくなります。 このあたりが相まって言われたことがピンと来ず、新人への反応が薄くなっていったのかも、というこれはあくまでひとつの解釈です。 さてそんな新人たちですが、先輩との差を思い知って落ち込んだり、患者さんたちに拒否されたり、笑ったり泣いたりいろいろな経験を積んでいくうちに、 新人ぽい声はいつの間にか消えて、先輩たちと同じプロの声が出せるようになります。 別に特別な発声プログラムを組んでいるわけではないのですが、それが成長ということなのでしょう。 私は新人の声を成長の指標のひとつに考えています。すっかりプロっぽくなった声を聴いて、まず第一段階は卒業、と私はひと安心するのです。 PR |
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