2024 11,23 06:29 |
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
2015 05,04 06:02 |
|
◆発声のワンポイント解説◆ vol.007 2015.05.04号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、 テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆
裏声はファルセットともいいますが、声を順に高く出していくとあるところで急にオクターブが上がったり、声が細く頭に響くような、違う聞こえ方の声に変わります。これが裏声です。声は通常は声帯を閉じて息を出し声帯粘膜を振動させることで実現するのですが、裏声の時には声帯を閉じず開いたままで息を出し声帯粘膜を振動させ発声します。裏声になると声の感じが変わるのは全く別の発声の仕方になっているためです。ボイトレの本によっては裏声は仮声帯で出すとか頭に響かせると出るとか書いてあるものもありますが、解剖学的には上記が真相です。ちなみによく声が裏返ってしまった、という言い方をしますが、このような意図していないのに裏声が出てしまう現象のことを声の翻転といいます。
さて、ミックスボイスという言葉があります。ミドルボイスとも言うようですが、これは地声と裏声の中間の声というような意味で使われているようです。地声の上限と裏声の下限の間には何度かの音程の開きがあるのですが、ボイストレーニングではこの開きの部分の音程を出せるようにして声域を広くしようという考え方があります。そのためこの開きの部分をミックスボイスと呼び、ミックスボイスのトレーニングが盛んに推奨されています。このミックスボイスですが、声帯と仮声帯を同時に使うとか、やっぱり色々誤った解釈がなされています。声を高くするのは被裂筋が声帯を引っ張るのと輪状甲状筋が声帯を引っ張るのとでやっていますが、際限なく引っ張れる訳ではもちろんありません。構造上の制限があります。地声の上限は数度であれば上げられるでしょうが、それ以上は無理です。後は裏声の下限を下げて地声と繋げると連続した感じになります。裏声の独特な聞こえを地声に近い感じに微調整すれば出来上がりです。これがミックスボイスです。
さてこの裏声は日常生活では特に出番はありません。作り声で使われるか、驚いたりした時に無意識に出てしまう程度です。ただし過緊張発声が著明な場合、裏声発声をさせることによって、過緊張発声の軽減を図ることができる可能性が考えられます。声門閉鎖を行う被裂筋の緊張が高く声門閉鎖が強すぎる場合、声門閉鎖をしない発声法である裏声発声をさせることで被裂筋の緊張を高めず発声させることが可能だからです。
PR |
|
忍者ブログ [PR] |