2024 11,23 01:11 |
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2016 06,20 08:40 |
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◆発声運動エクセ事例紹介◆ vol.034 2016.06.20号より
☆発声運動エクセの実施事例をご紹介します☆ もともと中程度のアルツハイマー型認知症があったが、3ヶ月前脳梗塞を発症、左片麻痺と認知機能の低下のためほとんど寝たきり状態となり、 食欲も不振で胃ろうを作って転院してきた70代女性。 声が小さく非常に聴き取りにくい状態。 声量はごく小さく音域はかなり高い。しかもかすれて途切れ途切れ。ブローイングも非常に弱い。明瞭度はまあまあだが、舌は硬く後方に落ち込んでいる。 最大の問題は廃用も加わっての著明な呼気筋力低下、それに舌を中心とした喉頭周囲筋の過緊張と判断。 呼気筋の筋力向上、それに舌と喉頭周囲筋のリラクセーションを目標に設定。 ウォームアップはストローブローイング、それと舌ストレッチ、喉頭下部側方ストレッチと喉頭下制。 アシスト発声は標準的な「へ」「ほ」「は」から開始。実施は1日1回週5回。 開始1週め、全体には変化ないが、呼気力・舌の柔軟性ややアップ。 開始2週め、呼気力アップし声量増加傾向、舌の運動性やや向上。ただし声は高く過緊張性で依然聴き取りにくい。 開始3週め、声量全般にアップし発語はやや聴き取りやすくなる。ストロー間欠的ブローイングに切り替え。時折低い地声が出るようになる。 開始4週め、地声は全般に低くなり、短い文なら聴き取りやすい声量で発声が可能となる。退院に伴いエクセサイズ終了。 コメント:発症前はなんとか自立生活をされていたとのことですが、脳梗塞で寝たきり状態となって廃用症候群を合併し、 しかも低栄養も重なってこのような声しか出せなくなったと考えられました。 前の病院では発声練習などはしていなかったようですが、胃ろうを作って栄養状態の改善が見込めましたし、 まだ廃用を起こしてそれほど長くありませんでしたので、改善の見込みありと考えやってみました。 プログラムは呼気筋強化にかなり重点化し、途中で間欠的ブローイングに変更してさらに強化を図りました。 当初から1ヶ月程度の入院予定でしたが、期間内に目標の水準に到達できました。スタッフからも言葉が分かりやすくなったとの言が聞かれました。 PR |
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2016 05,02 07:09 |
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◆発声フィジ・エクセ事例紹介◆ vol.031 2016.05.02号より
☆発声フィジ・エクセの実施事例をご紹介します☆ 数年前に脳梗塞を発症。著明な運動麻痺はないものの認知機能が低下し家ではほとんど動かない生活。 食欲の低下が続いたため検査のため入院してきた70代の男性。声が聞き取りにくいので、なんとかして欲しいとの要望がご家族からあり。 ご本人は自分から話すことはほとんどなく、問われれば短く答える程度。 声は過緊張発声で特にガラガラ声の粗ぞう声が著明。声量も乏しく、呼吸数に問題はないが呼気は弱い。 咳は可能。栄養状態不良。 活動性の低下から全身に廃用が進んだための声量低下で、無理に発声するのでガラガラ声になっていると判断。 目標は呼気筋の可動域と筋力の向上、過緊張発声の消去。 体幹・肋間筋のストレッチと負荷ブローイング、楽なポジションである30度臥位姿勢からの発声練習を週5回実施。 同時に食形態を工夫、食べやすい食事にして栄養状態改善を図る。 開始1週め、30度臥位にすると過緊張発声はかなり軽減。 食欲改善、ほぼ全量摂取。 開始2週め、呼気筋力改善みられ始める。発声練習の姿勢を60度にアップ。この姿勢でも過緊張軽減した発声が可。 座位姿勢では変わらず。 開始3週め、座位姿勢では依然ガラガラ声が主だが、時折クリアな発声が可。 開始4週め、ガラガラ声は残るものの全般に声量アップし聞き取りやすさ向上。自宅退院のためエクセサイズ終了。 コメント:ベースは脳梗塞ですが、それよりもその後の不活発な生活行動で発声に問題が生じたと考えられたケースです。 数年前の脳梗塞から引き続いた問題であれば改善には困難が予測されますが、比較的問題が発生して時間が経っていない様子でしたので実施してみました。 さすがに完全回復には至りませんでしたが、そこそこ実用的な発声ができるようになりました。栄養不良も一因と考えられ、そこの回復も大きかったと思います。 |
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2016 02,15 06:34 |
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◆発声フィジ・エクセ事例紹介◆ vol.026 2016.02.15号より
☆発声フィジ・エクセの実施事例をご紹介します☆ 1年前パーキンソン症候群との診断を受けた70代男性。 普段の話し声でも意図的場面でも有声は全くみられず、出されるのは全て弱い息のみ。意思疎通は弱いささやきと身振りと筆談で可。舌や口の運動機能に大きな問題はなし。呼吸数には問題はないが呼気は弱い。 ただし咳は可能。 咳が出せることから声門閉鎖は可能、問題は呼気筋の機能低下と判断。目的は呼気筋の可動域と筋力の向上。 体幹・肋間筋のストレッチと負荷ブローイング、お腹を押しながらの母音介助発声練習を週5回+自主トレーニング1日1回で実施。 開始1週め、呼気持続力当初6秒→9秒、練習中に母音の一部で短い有声発声が可能となる。 開始2週め、呼気持続力10秒、練習中母音で短い有声発声が可能。単語の発声練習追加。ただし自主トレでは有声困難。 開始3週め、呼気持続力11秒、練習中短い単語の一部で有声発声が可能。呼気が強くなり普段のささやきが聞き取りやすくなる。 開始4週め、短い単語が一部有声で可能。自主トレでも有声が出せるようになる。以後は自主トレ中心に行うこととしエクセサイズ終了。 コメント:かなり前から声は小さかったとのことですが、肺炎で数週間入院してから、声が出なくなったとのことでした。 はっきりはしませんが、入院による呼吸筋の廃用症候群で声が出なくなった可能性が考えられました。 とすると廃用を起こしてからそれほど経っていませんので、改善の見込みありと考えやってみました。 プログラムは呼気筋強化にかなり重点化し、ご本人も主旨を理解されてしっかり取り組んでいただけました。 約1ヶ月で一定の改善が得られ、自主トレもできるようになりましたので終了しました。ご家族にも分かりやすくなったと喜ばれたとのことでした。 |
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2015 11,02 07:21 |
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◆発声フィジ・エクセ事例紹介◆ vol.019 2015.11.02号より
☆発声フィジ・エクセの実施事例をご紹介します☆ 【ケース01】 脳梗塞後2年、著明な過緊張発声の70代男性 70代男性。2年前脳幹梗塞(ワレンベルグ症候群)。 気息声と粗ぞう声が著明で、声は非常に高く翻転もしばしばあり。 発声時には喉頭挙上がみられ過緊張傾向が著明。発声持続は3秒程度。声量はやや乏しい程度。呼吸・発音問題なし。 喉頭の過緊張軽減を目的に、頭部の回旋ストレッチと喉頭下部側方ストレッチ・喉頭周辺部ストレッチ・舌ストレッチと喉頭マッサージ+喉頭下制発声+h起声母音練習で週5回+自主トレーニング1日3回で実施。 開始1週間後頃より、時折練習中に母音で低い地声発声が出現。練習中、気息声・粗ぞう声軽減。 開始2週間後頃より、少し練習すると母音で低い地声発声可。普段でも気息声・粗ぞう声軽減。重母音・長母音練習追加。 開始3週間後頃より、普段でも低い地声発声が聴かれるようになる。粗ぞう声は目立たなくなる。気息声は日によって差あり。h起声練習カット、単語練習追加。 開始4週間後頃より、短文練習追加。時と場合によって差あり安定しないものの、気息声のない低い地声発声が比較的可能となりトレーニングは終了となった。 コメント:ご本人によると以前はむしろ低い声だったとのこと。はっきりはしませんが脳幹梗塞で過緊張発声になった可能性が考えられました。 とすると2年も経過しており固定化してずいぶん経つことになるため改善には困難が伴うことが予測されましたが、発声トレーニングは未経験とのことでしたのでやってみました。 プログラムはかなり重点化し、自主トレーニングも相当やっていただきました。幸いご本人はとても熱心で自主トレーニングにもしっかり取り組まれていました。 経過が長いため安定発声には至りませんでしたが、約1ヶ月でかなり改善し終了しました。 |
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