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◆発声のワンポイント解説◆ vol.001 2015.02.02号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆
第1回の解説は喉頭下部側方ストレッチの実施法です。技術的にもちょっと慣れないとなかなかやりにくい方法ですが、喉をぐっと締めて出しているような声、つまり過緊張発声が目立つ場合には、その軽減のためにまずやってみるとよい方法です。効果も出やすいのでお薦めです。
手順はリンクを参照していただくとして、皆さんよくわからないご様子なのが、喉頭の下部側方を指でどのぐらい押すのかということです。
リンク→ http://physiexvoice.client.jp/kaisetsu23.html
筋を押すというのはどういうことかというと、 例えて言えば伸ばした輪ゴムを横から押して「く」のような形にしているということです。つまり横から押すことによって筋を伸ばしているのです。これは要するにストレッチの変形というわけです。ここの筋は構造上引っ張るような形でストレッチするのが難しいので、このような方法をとります。
ですから押せば押すほど筋は伸びることにはなるのですが、押しすぎると当然痛くなってしまいます。痛いと反射的に筋を硬くしてしまうので逆効果。つまり痛くない程度にできるだけ押すのがいいのです。自分で行う際には痛みを感じない程度に押せばいいのですが、他者に行う場合その加減を見極めるには、まず一度ちょっと押してどの程度行きそうか様子をみてから、ゆっくり押し始めます。で徐々に押していく感じにします。粘土を押していくようなイメージですね。それでおよそ行ける範囲の半分程度に来たら固定しましょう。そこまでの間でもちょっと引き気味な感じがみられたら少し緩めて下さい。指先で押すと痛くなるので指の腹を使ってできるだけ広い面が接触するように。特に爪があたったりしないように気をつけましょう。
押す際に頭部を回してやや横を向かせるのは、筋を緩ませるためです。首が正面を向いても真横を向いても筋は緊張しています。そのどちらでもない中間位が最も筋が緩んでいますので、首は斜め前向きの位置にしてストレッチしましょう。思いっきり回すのはかえって効きませんので気をつけて。
後は頭がグラグラしないよう反対側の手で支えておくとやりやすいでしょう。終わった後は少しマッサージをしておくと違和感が残らず良いと思います。ぜひ試してみて下さい。
◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.001 2015.02.02号より ☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ ーBrent G. Nichols ほか「Dysphonia in Nursing Home and Assisted Living Residents: Prevalence and Association With Frailty」 Journal of Voice : 29 Issue :1 , 2015
リンク→ http://www.jvoice.org/article/S0892-1997(14)00125-8/abstract
在宅で介護を受けている高齢者と特別養護老人ホームにいる高齢者で声に問題がある人の割合を調査した論文。結果、ホーム居住者の33%、在宅介護の25%に問題があり、フレイル(虚弱)と声の問題の程度の間に相関があったそうです。フレイルとはごく最近になって提唱されてきた概念で、健康と疾病状態の中間にある状態で、放っておくと必ず疾病や介護を受ける状態になってしまうといういわば予備群です。このフレイルの状態にある方にいかに手を差し伸べるかでその方の人生は大きく変わってしまうので今後の施策が望まれています。発声についても同様でしょう。
◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.001 2015.02.02号より ☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ ー足立千浪ほか「カラオケ歌唱による声質変化と水分摂取の関係」 音声言語医学 Vol.55 No.3 p195 2014
リンク→ http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/55/3/55_195/_article/-char/ja/
カラオケ後に声帯がどうなっているか、水分を補給したら違いがないか調査した論文。で、思ったより声帯は変化してなくて、水分も取った人の方がやや枯れなかったが、さほど差はなかったというちょっと残念な結果。カラオケ翌日に声が枯れてしまった経験は多くの人があるでしょうが、これはお酒が入ったり大音量下で喋ったりして喉に負担をかけていることが加わっているからで、純粋に歌だけだとそうでもないということでしょう。もちろん実験と実際場面では歌への気合いの入り方が違うという無意識下の条件差もありえます。
◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.001 2015.02.02号より ☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆
ー2014年11月18日放送 NHKあさイチ「代謝アップ&息切れ改善」 リンク→ http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/11/18/01.html
横隔膜は腹式呼吸を行う際に主に働く筋肉。これが有効に使えれば呼吸だけでなく腹式発声にも繋がるので発声にとても有利なのは間違いありません。ただ実際に使えるようにするのはなかなか難しく、特に高齢者にはハードルが高いですね。番組で紹介していたストレッチも番組内でちょっと厳しいといっていました。難しいときにはということで、代わりの呼吸法も同じ番組内で紹介していましたが、実はこれもちょっと高齢者には難易度高めでした。興味のある方はリンク先をご覧ください。