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2015 05,04 06:07 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.007 2015.05.04号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ 「RIZAPの健康コーポ:今期純利益3倍へ、東証上場準備も」 - Bloomberg 2015/04/16 ライザップは専任のトレーナーがつき、完全プライベートレッスンで週2回2ヶ月みっちりトレーニングすることで、驚きの肉体改造を実現する、というので評判のトレーニングジムです。 ムキムキになった香取慎吾さんのCMは有名ですよね。トレーニングの原理はVol.005で紹介した吉川メソッドを基本としているようです。さらにこのライザップは食事メニューまで報告させ管理するシステムになっているとのこと。ここまで徹底して実践すれば驚きの効果も頷けます。費用は2ヶ月で30万円以上とのことで、価格面も驚きです。 PR |
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2015 05,04 06:05 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.007 2015.05.04号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ 川村 直子ほか「Vocal Function Exercise(VFE)の訓練効果に影響を及ぼす要因」 音声言語医学 55卷2号、2014、p137-145 VFEとは、発声持続練習・音階上昇練習・音階下降練習・特定の高さでの発声持続練習を2回ずつ毎日2回、6~8週継続して行うことで呼吸・発声・共鳴の調整能力を高めるという包括的発声練習法です。綿密にプログラム化されていることが特徴です。今回は11例を原法群とプログラムの順番を変えた群に分けてエクセサイズを実施し、効果の違いをみたという研究。結果、プログラムの順序を変えても発声持続の上昇はみられたが、声域の拡大は原法通りの方が早く効果が出たとのことです。 VFEのような包括的発声練習法はプログラムのどの部分がどこに利いているのか非常に分かりにくいので、なかなか一部を可変しようと思ってもうまく行きにくいと思います。それでも原法が改良の余地のない最良の方法という保証はないので、果敢にアップデートに挑戦していくしかないと思います。 |
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2015 05,04 06:02 |
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◆発声のワンポイント解説◆ vol.007 2015.05.04号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、 テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆
裏声はファルセットともいいますが、声を順に高く出していくとあるところで急にオクターブが上がったり、声が細く頭に響くような、違う聞こえ方の声に変わります。これが裏声です。声は通常は声帯を閉じて息を出し声帯粘膜を振動させることで実現するのですが、裏声の時には声帯を閉じず開いたままで息を出し声帯粘膜を振動させ発声します。裏声になると声の感じが変わるのは全く別の発声の仕方になっているためです。ボイトレの本によっては裏声は仮声帯で出すとか頭に響かせると出るとか書いてあるものもありますが、解剖学的には上記が真相です。ちなみによく声が裏返ってしまった、という言い方をしますが、このような意図していないのに裏声が出てしまう現象のことを声の翻転といいます。
さて、ミックスボイスという言葉があります。ミドルボイスとも言うようですが、これは地声と裏声の中間の声というような意味で使われているようです。地声の上限と裏声の下限の間には何度かの音程の開きがあるのですが、ボイストレーニングではこの開きの部分の音程を出せるようにして声域を広くしようという考え方があります。そのためこの開きの部分をミックスボイスと呼び、ミックスボイスのトレーニングが盛んに推奨されています。このミックスボイスですが、声帯と仮声帯を同時に使うとか、やっぱり色々誤った解釈がなされています。声を高くするのは被裂筋が声帯を引っ張るのと輪状甲状筋が声帯を引っ張るのとでやっていますが、際限なく引っ張れる訳ではもちろんありません。構造上の制限があります。地声の上限は数度であれば上げられるでしょうが、それ以上は無理です。後は裏声の下限を下げて地声と繋げると連続した感じになります。裏声の独特な聞こえを地声に近い感じに微調整すれば出来上がりです。これがミックスボイスです。
さてこの裏声は日常生活では特に出番はありません。作り声で使われるか、驚いたりした時に無意識に出てしまう程度です。ただし過緊張発声が著明な場合、裏声発声をさせることによって、過緊張発声の軽減を図ることができる可能性が考えられます。声門閉鎖を行う被裂筋の緊張が高く声門閉鎖が強すぎる場合、声門閉鎖をしない発声法である裏声発声をさせることで被裂筋の緊張を高めず発声させることが可能だからです。
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2015 05,04 06:01 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.007 2015.05.04号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆
体型と声の関係が気になります。
私たちはなんとなく、太っている人は声が大きくて低く、痩せている人は声が小さめで高い、というイメージを持っているような気がします。他にも背のちっちゃい人は声が高そう、なんて感じもしますね。予想した声と違うとあれっと思ったりもします。体型と声って実際関係あるんでしょうか。
実は声の高さと身体的特徴(身長・体重・頚囲)の関係についてはこれまで色々な人が調べています。ところがその結果は、少し関係があるというものから、ほとんど関係ないというものまでばらついていて、今ひとつはっきりしません。結局、明らかな関係はないというところなのだと思います。私たちがなんとなく思っているイメージは思い込み、ということになります。でもなにか納得いきません。どうして関係がはっきりしないんでしょうか。
高い声というのは声帯がピンと張られた状態で出ます。反対に声帯を緩めると声は低くなります。ギターなどで弦をピンと張ると高くなり緩めると低くなるのと同じですね。そしてもうひとつ、声帯そのもののサイズが小さいと声は高くなります。反対にサイズが大きくなると声は低くなります。声帯が大きいと声帯振動の振り幅が大きくなるので、空気振動が粗くなり音が低くなるのです。
つまり声の高さには喉頭の大きさが関係します。どの人でも喉頭のサイズが同じ訳ではありません。喉頭のサイズが大きい人も小さい人もいます。大柄で身体のパーツが全て大きい人は喉頭のサイズも大きいでしょうから声は低くなるでしょう。つまり身長や体重が多いといっても、もともと大柄で甲状軟骨や輪状軟骨などの喉頭の骨格からして大きい場合と、骨格は普通ながら脂肪がついて太った、という場合では大きく違います。成人してから脂肪がついて太るのは食生活のためでしょうか。
ちなみにもし巨人がいたとしたら声帯も巨大でしょうから、声は出ても恐ろしく低くなると思います。ひょっとすると低周波すぎて人間の耳では聞こえないかも知れません。そう考えるとよくある巨人が出てきて大声で喋るなんてSF映画とかはちょっと嘘っぽくなっちゃいますね。
ところで評論家の岡田斗司夫さんが、レコーディング・ダイエットという方法を開発・実践されて、120kg以上あった体重を60数kgにまで落とされたことがありました。その本はベストセラーになりましたのでご記憶の方もあると思いますが、岡田さんは高い声でした。ということはおそらく喉頭のサイズは大きくないと思います。そこからすると岡田さんはもともと骨格から大きかったわけでなく、成人に近いある時期から太られて120kgにもなったのではないかと。ですからダイエットもあれだけ成功したのではないか、なんて考えられますね。もちろんこれは思考のお遊びで、喉頭だけスモールサイズの方も当然ありえます。
というふうに、太っているけど声は低くないというような人に会うと、子供のころは痩せてたのかな、大人になって太ったのかな、ああきっと仕事のストレスだ、などとかつい余計なことを考えてしまいます。体型と声の関係が気になります。
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2015 05,04 06:00 |
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声のなんでもQA◆ vol.007 2015.05.04号より
☆お寄せいただいたご質問にすべてお答えします メルマガ購読者であればどなたでもどんな質問でもOKです☆ 【Q】発声トレーニングのためのよい参考文献はないでしょうか 【A】今、新刊書籍の発行点数は30年前の約3倍になっているそうです。発声トレーニング関係の書籍も山ほどありますから、本当にどれを選んだらいいか迷ってしまいますよね。しかも内容をよくみると結構それぞれバラバラです。難しい音楽用語が並んでいるもの、独特なトレーニング法が述べられているもの、精神論的なものと様々です。やたら体操がたくさん入っているのもありますが、大体ははっきりした理屈などなく、色々やったらどれか効くだろうと闇雲に入れているようです。「1分で変わる」「5分で変わる」などと書いてあるのは大抵心の持ちようを変えれば声も変わるという本です。その他疑似科学的な限りなく怪しい本もあったりするわけですが、もちろんどれを選ぶかは個人の自由です。それを踏まえた上で、科学的にみて妥当でありお薦め、という本をご紹介します。 (1)声域を拡げたい方 弓場 徹「改訂版 プログラムCDつき 奇跡のボイストレーニングBOOK」 主婦の友社, 2013 ¥2,484 弓場 徹「DVD付 どんな人でも1週間でいい声になる! 歌がうまくなる! 」 あさ出版, 2013 ¥1,728 上の2冊は音痴矯正を謳っている著者の本だけあって、特に声域を拡げたい方に向いています。ちゃんと理論的にも正しい方法に依っています。 (2)声の響きを出したい方・声量を上げたい方 立林淳 「舌根をやわらかくすると歌がうまくなる (CD付き)」 リットーミュージック, 2010 ¥2052 独特な考え方と構成の本ですが、内容としては理にかなっておりお薦めです。 (3)かすれ声・ガラガラ声を変えたい方 廣瀬 肇ほか「STのための音声障害診療マニュアル 第1版」 インテルナ出版, 2008, ¥3,500 専門書ですが、かすれ声・ガラガラ声を変えるにはこの本がもっとも向いています。箇条書きで分かりやすく書いてある良書です。専門家・一般の方どちらにもお薦めです。 以上、ぜひ参考にしてみて下さい。その他サイトの方にも幾つか載せてあります。 ■QAコーナーへのご質問をお待ちしております。 → http://physiexvoice.client.jp/mail.html |
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2015 04,20 06:06 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.006 2015.04.20号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ リンク→ 月刊スポーツメディスン2015年2・3月合併号「特集 TABATAトレーニング」 TABATAトレーニングとは立命館大学スポーツ健康科学部の田畑泉学部長の考案によるトレーニング法です。開始前に簡単なウォームアップをしてから本番の運動を20秒、休息10秒をワンセットとし、それを8回繰り返し合計1日4分。理想は週2~3回実施というもの。これで1時間相当の運動量になるそうです。運動は腕立てでもダッシュでも何でも良いのですが、ただひとつ、その際には最大限の筋力を発揮し、全力で強度の運動をするのが条件です。ダッシュなら猛ダッシュ、腕立てなら高速反復ですね。 これは前号に掲載したスロトレと原理は同様で、等尺性運動に等張性運動を組み合わせて加圧トレーニングのような条件を作りだしています。さらにいわゆるインターバルトレーニングのやり方を組み合わせることにより、充分な加圧状態を何度も繰り返し再現できるようにしてあるところがポイントです。以前取り上げたロングブレスとも似ていますね。NHK「あさイチ」でもとりあげられていました。世界のアスリートに認められており、日本より世界で有名だそうです。色々な方法の長所を組み合わせてしかも実施しやすくできており、確かにすごい方法です。発声フィジ・エクセにも取り入れたいものです。 |
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2015 04,20 06:05 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.006 2015.04.20号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ 「歌唱者の音声障害に対する音声治療の効果」 金子真美、平野 滋、楯谷一郎 ほか リンク→ 音声言語医学 55巻 3号、2014、p201-208 声帯結節などのため音声障害を生じたプロまたはアマチュアの歌唱者9例にチューブ発声法・発声機能エクセサイズ・レゾナント発声療法などの発声訓練を行った結果、個人差があるものの全例で改善が認められたという報告。歌唱者に対する発声訓練の報告は少ないが、一定の効果が期待できることがわかったと著者らは結んでいます。 今回使われているチューブ発声法・発声機能エクセサイズ・レゾナント発声療法はいずれも口腔前部の共鳴を意識させる発声方法です。 それにより喉頭の過緊張を軽減させようという意図での適用ですね。他の方法との比較もできれば知りたいところです。所要期間は2〜9ヶ月とのことで、どうしてもこのぐらい時間がかかってしまうのはやむを得ないでしょう。歌唱者への発声訓練の研究報告が少ないのは手っ取り早い手術に頼る人が多いせいかも知れません。 |
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2015 04,20 06:02 |
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◆発声のワンポイント解説◆ vol.006 2015.04.20号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆ 歳をとると誰でも疲れやすくなったり転びやすくなったりします。これは筋力が衰えるためです。筋力の衰えは筋肉の量が減少することにより起こりますが、筋肉量の減少は、筋繊維の数が減ることと筋繊維自体が萎縮することにより起こります。 筋繊維の数が減るのは歳をとると筋肉の材料となるタンパク質の合成能力が低下するためです。高齢者では若年者と比べてタンパク質の合成により多くのアミノ酸が必要なことが近年わかってきました。筋量は50歳を越えると急激に減少をはじめ、1年に1%くらいの割合で減少します。75歳頃には若い頃のおよそ半分の量にまで減少してしまいます。 もうひとつの筋繊維の萎縮は不活動により生じます。不活動状態が続くと代謝が低下するため、タンパク質合成より分解の方が多くなることで、筋の容量が少なくなり、筋委縮が起こってしまいます。筋委縮は筋力低下を引き起こしますが、安静による筋力低下は、健康な人でも1週目で20%、2週目で40%、3週目で60%と言われています。歳を取ってくると活動量が減り不活動状態が続きがちになってしまいますが、筋委縮により筋力は50歳以降10年間に15%ずつ減少するといわれています。 さらに筋肉には遅筋と速筋があります。遅筋とは運動速度は遅いが疲労しにくく長い間力を発揮し続けられる、いわゆるマグロタイプの筋肉です。マラソンなど持久力が求められる選手には遅筋が多く見られます。一方、速筋とは運動速度が速く瞬間的に力を発揮できる、いわゆるヒラメタイプの筋肉です。短距離走選手などには速筋が多く見られます。歳を取ると速筋・遅筋共に数が減りますが、萎縮は遅筋では比較的軽度で、速筋の方がより多く失われます。そのためお年寄りは素早い運動ができなくなります。なお、不活動状態が続くと今度は遅筋も減少してきますので、お年寄りはできるだけ不活動状態を続けないことが大切です。 さて従来、遅筋と速筋の割合はトレーニングしても変わらないと考えられていましたが、近年、瞬発的なトレーニングをすると速筋に、持久的なトレーニングをすると遅筋に変化することがわかってきました。これはお年寄りでも同様です。軽い運動でもお年寄りにはかなりの運動になりますので、軽めの瞬発的なトレーニングを行って筋力の維持向上を図ることが充分可能です。 お年寄りで声が出しにくい場合は概ね呼吸筋の筋力不足が原因です。呼吸筋の瞬発的トレーニングを行って発声を促し、続けて持久的トレーニングを行うのが良いと思われます。 |
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2015 04,20 06:01 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.006 2015.04.20号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ 集団アイドル歌手の声が気になります。 典型的に言えば今ならAK○ということになりますが、なんであんなに大勢で一緒に歌うんでしょうか。だってあんなに大勢でいると誰が誰の声かわからないし、前列中央以外は顔もよく見えないし、衣装代やらコストもかかるじゃないですか。もちろん迫力はあるでしょうが、それにしてもあそこまで多人数にしなくてもいいと思います。大勢で歌うと何かいいことがあるんでしょうか。 プロデュース面などはよく分かりませんが、ともかくも声についていえば色々な意味で補い合えるというメリットはあると思います。一番は歌う時の音程の安定性でしょう。地声のメロディで音を外してしまうほど酷いことはさすがにないでしょうが、地声近くから急に高い音を出すような旋律のところではやっぱり音を外しやすいものです。急な高音発声の歌はアイドルだけでなくベテランの有名歌手でも難しいようで、聴いていると一気に高い音を出さず、半音下がった音から入ったり、声量を下げて入って徐々に上げたり、一拍遅れて入ったり、ハスキー音にして入ったりといった感じで、思ったより多くの歌手がストレートに高音を出さず何がしかの工夫を入れています。一度注目して聴いてみると興味深いでしょう。まあベテランはそれを味のようにみせているわけで、それはそれで芸なのですが、つまりそれほど高音発声をコントロールするのは難しいということです。 高い音を出す時には喉頭の輪状甲状関節を動かして声帯をひっぱりピンと張らせることで高い音を実現させるわけですが、上手にやらないとひっぱりすぎちゃいますし、さらに輪状甲状関節を動かす筋肉と一緒に他の喉の筋肉にも力を入れてしまって、喉頭前庭という声帯の上の空間が狭くなり、声がくぐもったり苦しそうな声になったりしてしまいます。このあたりも歌を聴かせるには望ましくない要素です。大体のサビは高音の旋律になっていますが、せっかくのサビの歌声が小さくては聴こえませんし盛り上がりません。綺麗なメロディが苦しそうな歌声で聴こえてきたら感動するより興ざめですよね。うまく声を出すためにはこの微妙な調節を瞬時にやらないといけないのです。 というわけでひとりきりでは音が外れたり声が小さくなったり苦しそうになったりして聞き苦しくなってしまいがちな高音発声も、大勢いれば誰かがその音を適切に出してくれて補ってもらえるので万事OKというものです。分業制というわけですね。まだ味にみせるテクニックを持たないアイドルには格好の方法です。 いやそんなレベルは求めてないよ、アイドルは下手なのがいいんだ、それが味だ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、物には限度があります。私は一度何かのネット生番組で二日前デビューしたばかり、という集団アイドルグループの歌を聴いたのですが、ちょっと人前に出すレベルでないというか、これをまた聴きたいという人がいるのかという感じでした。それ以来、私はAK○は大したものだと思うようになったのです。少なくとも不快にならないような配慮がされていますからね。その証拠にその某グループは全くメジャーになることなく消えてしまいました。下手を味にするようでは一部のマニアには受けてもメジャーになることはとても無理でしょう。見た目だけではどうにもならない壁があるのです。つまり集団でも全員発声がダメではどうにもならず、比較的声が出せて他の人のカバーができる人がある程度いないと成立しないと思います。 さてAK○の成功以来、そのシェアを奪おうと集団アイドルは次から次へと生まれては消えていっているらしいですが、私は聞く機会があるとこれは残りそうな声か消えそうな声か、密かに賭けをしています。アイドルは声だけではないでしょうが、少なくとも一定のレベルの声は必要というのが私の仮説です。果たして証明されるかどうか。 集団アイドル歌手の声がとっても気になります。 |
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2015 04,20 06:00 |
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声のなんでもQA◆ vol.006 2015.04.20号号より
☆お寄せいただいたご質問にすべてお答えします メルマガ購読者であればどなたでもどんな質問でもOKです☆ 【Q】発声練習をする際に大きな声を出しやすい言葉はあるのでしょうか 【A】おっしゃる通り発音には声量の出やすい音と出にくい音があります。母音で言えば「い」・い段音、「う」・う段音は声道が狭くなり、喉頭も過緊張になりやすいため声量はあまりでません。一方「あ」・あ段音、「え」・え段音は広母音といって声道が広くなるため声量は出やすくなります。「お」・お段音も比較的出やすいですね。 さらに子音では、ま行・な行などの鼻音は弱音化されるため声量は出にくくなります。またか行・た行・ぱ行などの破裂音は舌や口腔が過緊張となって狭くなるために音の響きが悪くなりますので、これも声量は出にくくなります。 従って声量が出やすいのは、は行、や行、「わ」などになります。すなわち、あ段か、え段、お段、かつ、は行、や行、「わ」を組み合わせた単語が最も声量が出やすい言葉ということになるでしょう。 ですから伝統的に使われる「やっほー」は理にかなっています。他にはたとえば「アホー」とか「わーっ」とか「えーっ?」などでしょうね。 単語で声量を出す練習をするなら確かにこのようなことに配慮しつつ行うとより効果が上がりやすいと思います。ぜひやってみて下さい。 QAコーナーへのご質問をお待ちしております。 → http://physiexvoice.client.jp/mail.html |
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2015 04,06 05:59 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.005 2015.04.06号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ 「堀江貴文のQ&A vol.403〜走ると太る!?〜」 リンク→ http://www.youtube.com/watch?v=EBk8FC2c2dY 少し前からメディアでよく取り上げられている吉川メソッドの吉川朋孝さんの登場するインパクトのある動画です。衝撃的な見出しですが、太るといっても実は走って遅筋を鍛えても普段の基礎代謝で脂肪燃焼させるような体にはなりにくいよ、ということで、別に走ると脂肪がつくとかそういう話ではありません。ちなみに吉川メソッドは、解剖に基づいて補助筋や協働筋を使わず、目標の筋肉だけを使わないとできないトレーニングメニューで運動させる方法体系のようです。 吉川さんのセンセーショナルな物言いとかマスコミ向けの派手なパフォーマンスとか値段の高さとか、そのあたりが気にかかる人も多いみたいですね。ダイエット方法としてはよくわかりませんが、トレーニングの理論は一応納得できるものです。 |
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2015 04,06 05:58 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.005 2015.04.06号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ 「The Effects of Emotional Expression on Vibrato」 Christopher Dromey, Sharee O. Holmes, J. Arden Hopkin, ほか journal of voice Vol 29. Issue 2, 2015, p170–181 リンク→ http://www.jvoice.org/article/S0892-1997(14)00126-X/abstract 10人の大学院生歌手を対象に感動的な歌ではビブラートがより顕著になるか周波数や強さなどの音響的特徴を調べた研究です。結果、感動的な歌のビブラートは単なる母音発声のビブラートよりは顕著だったものの、中間的な歌との比較ではあまりはっきりしなかったとのことでした。 ここは微妙ですね。ビブラートを無意識にやっている歌手もいるでしょうが、基本的には歌を聴かせるためのテクニックのひとつですから、充分計算して歌うタイプの歌手なら感情に任せてビブラートを出すようなことはしないかもしれません。本人の意図と実際の歌との整合性まで調べるともっと深い研究になりそうです。 |
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2015 04,06 05:58 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.005 2015.04.06号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ 「Prevalence of Hoarseness in School-aged Children」 Emma Kallvik, Elisabeth Lindström, Sofia Holmqvist, ほか journal of voice Vol 29. Issue 2, 2015, p1–19 リンク→ http://www.jvoice.org/article/S0892-1997(14)00124-6/abstract 217人の6〜10歳の児童で嗄声の有病率と背景因子を調査した研究です。結果、女児の7.8%、男児の15.8%に嗄声がみられ、女児は幼児期から習慣的に声をよく使っている場合、男児は兄弟の末っ子である場合に嗄声の率が高かったとのことでした。 著者らはもっと学童の嗄声に注目し背景を検討すべきと結んでいますが、原因については特に触れていません。末っ子の男の子に嗄声が多いのは、兄弟の中で大きな声を出したりして積極的に自己主張しないといけない立場だからでしょうか。女の子の場合がよくしゃべるかどうかだけが重要で兄弟の有無は関係ない、というのと比べると対照的です。男女で違いがあるというのは面白いですね。 |
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2015 04,06 05:56 |
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◆発声のワンポイント解説◆ vol.005 2015.04.06号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆ 前回は神話的に語られることの多い腹式呼吸について、科学的な意味とメリットを解説しました。今回はその続きで、「発声のための腹式呼吸の科学的なトレーニング方法」について解説します。 腹式呼吸のトレーニングというと、仰向けになって頭の後ろで手を組んで起き上がる、いわゆる腹筋運動とか、同じく仰向けで脚と上体を持ち上げてV字になって発声とか、お腹の上に重りを乗せての発声とか、この辺りを想像される方が多いのではないでしょうか。実際にこれが指導されることも多いようです。しかし腹筋を鍛えて腹式発声ができるなら、散々鍛えているボディービルダー、重量挙げ選手、柔道や野球選手、サッカー選手、みんな声が良くなるはずですよね。でも現実は違う。ここには誤解があるのです。 おさらいをしますと、腹式呼吸の場合、息を吸うときには横隔膜が収縮して下がり肺が広がるので、水がスポイトで吸われるように息が肺に入ります。発声のために息を吐くときには横隔膜が弛緩するとともに、腹直筋・腹横筋などの腹筋群が収縮するため腹腔の内臓が変形・移動し横隔膜を押し上げて肺が縮み息が出ます。 ここで発声に活かすために知っておくべき重要なポイントは3つ。横隔膜を動かすには腹部の複数の筋が必要なことと、横隔膜は直接腹筋群に動かされているわけではないこと、そして、吐くとき横隔膜が充分弛緩していなければならないことです。 単純な腹筋運動は腹直筋のみの収縮を促しているに過ぎず、これだけでは横隔膜を充分動かせません。腹直筋だけ収縮しても内臓は背側や脇側などへ移動してしまい、横隔膜を押すとは限らないからです。背筋トレーニングをすごく推奨している本もありますが、そこまでではないにしてもある程度脇腹の腹横筋や背筋の収縮は必要になります。 息を吐くときには横隔膜が充分弛緩していないと横隔膜をしっかり押すことができません。発声も同時にさせるなら喉頭やその周囲もリラックスしていないといけません。V字発声などはわざわざ発声が難しい状況を作り出していることになり、決して練習法として適しているとは言えません。 そして腹式呼吸を強化したいなら横隔膜で息が吸えているかどうかの確認が必要です。胸式で息を吸っている人が、いくら腹筋群で横隔膜を押してもそもそも横隔膜は動いていないので押されようがありません。 ということで、腹式呼吸のトレーニングをするならこれらを押さえた上での実施が効率的です。 そして最後に最も重要な誤解は、これら腹直筋や腹横筋のトレーニングを呼吸と全く別にやってしまうことです。類似運動は似て非なるものにすぎません。呼気を強化したいなら実際に息を吐きながら練習するのが一番です。その考え方に基づいたトレーニング法が発声フィジ・エクセの負荷ブローイングです。ぜひサイトを参照してみて下さい。 リンク→ http://physiexvoice.client.jp/kaisetsu13 |
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2015 04,06 05:55 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.005 2015.04.06号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆
癒やし声が気になります。
最近よく癒し系なんていい方、聞きますね。で「『癒し系ボイス』のカーナビが出た」という記事を見ました。声にも癒し系があるんですね。癒し系ボイス、すなわち癒し声っていうからにはその声を聞くと心がホッとして癒されるってことでしょうか。そもそもどんな声が癒し声なんでしょうか。
調べるとその「癒し系ボイス」のカーナビの音声は皆口裕子さんという声優さんが務めていました。代表的な役柄はアニメ「Yawara!」の主人公猪熊柔とか「セーラームーンS」のセーラーサターンとかだそうですが、サンプル音声は残念ながら聴けませんでした。それで試しに「癒し声」でネット検索してみると早見沙織さんとか能登麻美子さんという声優さんの名前がありました。それぞれ聴いてみると、声の始まりが際立って柔らかく、音をよく響かせている発声法、という感じでした。
始まりが柔らかい声は軟起声といいますが、これはどんな仕組みかと言うと、声を出す時には左右の声帯をぴったり閉じて息を出し振動させるわけですが、声帯を端からゆっくり少しずつ閉じていくようにすると声が小さい音から徐々に出始めます。テレビのボリュームを徐々に大きくするような感じですね。さて、聴いている側の気持ちになって考えてみましょう。急に音が聴こえる状況と徐々に聴こえる状況とどちらが気持ちいいでしょうか。急に音が鳴るとびっくりしますよね。耳というのは危険察知のための重要な器官で、生体の防御システム上、急な音にはびくっとするようにできています。モロー反射と言いますが。ですから恐らく徐々に聞こえた方が気持ちいいと思います。つまり私たちは徐々に聴こえる声だと安心するんですね。
ちなみにこれと反対に左右の声帯をどんとぶつけて声を出すと硬起声という発声になります。これは怖い声とかきつい声という印象を与えるのですが、これも急な音にびくっとする生体の防御システムのなせる技というわけです。
もうひとつの特徴と思われる「音をよく響かせている感じ」というのは、口腔の奥の鼻咽腔という空間を広げて声を出すとできます。がらんどうの建物内で音を出すと音が反響して響きますね。あれは同じ音が周波数を変えて何度も跳ね返ってくるのですが、そうすると和音のように音が何重にもきこえます。だからひとつの音が、たくさんの音に聴こえる。エコーがかかったようなものですね。これを建物の中でなく口の中でやることができます。そうすると響く声になります。舌を押し下げ軟口蓋を上げて、あと咽頭壁も後退させるとさらにいいのですが、ちょっと実施するにはトレーニングが必要でしょう。
というわけで生理的に聴き手に危機感を抱かせず、かつ和音のような多重音になる発声法が癒し声になる、といえそうです。ただ多重音が生物学的にどうして心地よいかは今のところちょっとわかりません。また考えてみたいと思います。
ところで癒し声の持ち主の方、早見沙織さんとか能登麻美子さんは声以外の他の面はどうなんでしょうか。声帯をどんとぶつけたりせず柔らかく使う、ということからして、物事や他人にもどんとぶつかったりしないで、柔らかくあたるんでしょうか。発想もパッパッと考えるのではなく、落ち着いてゆっくりと考えるんでしょうか。そうなると癒し声というのは発声法とか癒そうとしている、というわけではなく、行動パターンということになりますね。果たしてこの推理は当たっているでしょうか。
というわけで癒し声の持ち主が気になります。 |
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2015 04,06 05:54 |
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◆声のなんでもQA◆ vol.005 2015.04.06号より
☆お寄せいただいたご質問にすべてお答えします
メルマガ購読者であればどなたでもどんな質問でもOKです
【Q】発声フィジ・エクセはパーキンソン病のささやき声には効くでしょうか
【A】パーキンソン病は筋肉が固縮して特に運動の開始が困難になるなどの症状を特徴とする疾患です。おそらくその特徴が喉頭にも現れて呼気は出ても声門閉鎖運動が開始しにくくなっていると思われます。従ってまず喉頭ストレッチで充分喉頭筋・喉頭周囲筋をほぐして動きやすい状態にし、その上で呼吸ストレッチをたっぷりして充分な呼気を出せるような状態を作り出しましょう。そして呼気のタイミングが合った瞬間に声をかけつつ呼気介助をして発声させるてみて下さい。これによりささやき声しか出ないケースであっても発声できる確率がぐんと高まります。一度声が出ればしばらくの間は続けて出せることが多いようです。これを繰り返し練習すると、ささやき声であっても普段からある程度声が出しやすくなります。 |
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2015 03,16 06:20 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.004 2015.03.16号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆
週刊朝日 2014年5月9・16日号抜粋
今回も少し前の記事ですが載せておきます。筋力アップをしたいなら筋肉に力を入れ続けながらゆっくりと動かすだけで充分効果的、という記事です。
これは東京大学運動科学の石井直方先生の「スロトレ」と同じ原理に基づいたもので、力を入れることで筋肉の中の血流を制限し酸素不足の状態にして少ない運動で筋疲労状態に持って行こうというものです。
こうすれば筋肉に負担の大きいトレーニングを無理して行って痛めてしまったりなどの危険を防止できるというわけですね。石井先生の本は当サイトの参考文献にも載せてあります。
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2015 03,16 06:07 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.004 2015.03.16号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆
折舘 伸彦 ほか「推奨版VHIおよびV-RQOL作成と質問紙のアンケート調査─多施設共同研究─」
音声言語医学 Vol. 55(2014) No. 4 p.284-290
VHIもV-RQOLも耳鼻科などで使う声に関する問診票みたいなものですが、単に声がどんな状態かを聞くだけでなく、どんな場面で困るか、どう思うか、どんな不利益があるかなど、心理面や社会面・生活面に重点をおいて訊く形式になっています。この論文ではこれらを普及させるために使いやすくしたものを提案しています。
今までは声の聞こえ方だけが重視されがちでしたが、これからは本人の気持ちや実際の行動や生活の変化、つまり本人の満足度が声の問題の解決に最も大切、という考え方になっていくでしょう。発声トレーニングも全く同じです。
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2015 03,16 06:04 |
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◆気になるボイスコラム◆ vol.004 2015.03.16号より
☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆
ハスキーボイスが気になります。
ハスキーボイス (husky voice) っていうのは、しゃがれて枯れた声、かすれ声の事です。専門用語では気息性嗄声といいますが、ハスキーな声という言い方にするとなぜか魅力的な声みたいな意味合いが加わっている印象があります。ハスキーボイスってどうして好意的に用いられているんでしょう?そんなにいいものなんでしょうか?
やはり通常の声に比べて目立つ、というのはあると思います。ハスキーボイスの著名人は声の特徴がつかみ易いので昔から頻繁に声マネの対象にされますね。日本におけるハスキーボイスの歌手の起源は森進一さんといわれていますが、声マネ対象の典型といったらこの方が第一でしょう。また声優さんの中には、ハスキーボイスを特徴としている方も多数いらっしゃるということです。とくに女性声優さんの場合は、男性やボーイッシュな女性を演じやすくなるようです。他にもハスキー声の女性はモテるなんていう都市伝説めいた話も聞きますね。歌い手さんやタレントさんで何か自分の声に特徴を出したいとか、しゃべりに注目して欲しいという方は大勢いらっしゃるでしょうが、声を変えたいと思っても簡単には変わりませんし、変える方法もピンと来ないことでしょう。そんな場合にハスキーボイスが魅力的に映るのかも知れません。
さてハスキーボイスってどうしてなるんでしょう。
かすれ声は、寝起きとか、風邪とか、カラオケの歌いすぎなど声を使いすぎたときになりますね。でもこれは一時的なもので、少し時間を置いたり風邪が治ったりすれば回復します。これは要するに声帯が炎症を起こして腫れ、声帯粘膜の柔軟性が低下した結果、声帯がぴったり閉じなくなってしまって声門閉鎖不全となり、息が漏れて気息声になってしまっているのです。炎症が収まればもとに戻ります。
これがずっと続いて起こるようになるのは、声帯に結節やポリープが出来てしまっているからです。要するに声帯にタコができてしまっているイメージです。声帯にこのような異物ができると声帯がぴったり閉じなくなってしまってこのような声になります。声帯にこれらができるのは、長期間、慢性的に声を酷使したり、無理な発声をしたり、長期間に渡る飲酒や喫煙をするとなります。仕事上声を頻繁に使う人や、大声でしゃべる子供にも多くみられます。前号の編集後記でも触れましたが、先日声優の新田恵海さんが声帯結節で休養とのニュースがありましたね。他にも元AKBの板野友美さんとか、歌手のAikoさんとか、爆笑問題の太田光さん、古くは和田アキ子さんとか、故いかりや長介さんなど、世間で思われているよりも多くの例があります。
しかしこの声帯結節やポリープはそのままにするとどんどん大きくなって終いには声が全くでなくなってしまったりすることがありますし、ガン化することもあります。サザンオールスターズの桑田圭祐さんはウォッカでうがいしてから大声を出してあの声にされたそうですが、あれほどの成功と引き換えならともかく、一般的にはあまりお勧めとはいえません。
ハスキーボイスを聞くと、どのような経緯でその声になったのか、とっても気になります。 |
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2015 03,16 06:04 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.004 2015.03.16号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆
Susanna S ほか「Gender Differences in the Prevalence of Vocal Symptoms in Smokers」 J of Voice. Accepted: November 25, 2014; Online: February 28, 2015
男女1,728名に喫煙と声の状態のアンケートを取ったところ、男性は喫煙の有無で差はなかったが、女性は喫煙者で声に問題がある人が多かったという研究です。
おそらく女性の声帯は生理学的にタバコの煙に弱いためではないかと結ばれていますが、女性の方がお話好きな方が多いとすると、喫煙で喉頭粘膜が乾燥した状態で声帯を酷使したのが原因、というのが案外真相かもしれません。
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2015 03,16 06:00 |
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◆声のなんでもQA◆ vol.004 2015.03.16号より
☆お寄せいただいたご質問にすべてお答えします
メルマガ購読者であれば、どなたでもどんなご質問でもOKです☆
【Q】なぜ発声に筋トレとストレッチが良いのでしょうか 【A】 結局のところ発声は呼吸筋と喉頭筋の運動によってなされるのですが、それが思い通りに動かないことが理想的な声が出ない原因になっています。筋肉が思い通りに動かないパターンは大別すると二種類で、ひとつは筋肉に充分な力を生み出す能力がない場合、もうひとつは充分な力は生み出せるが調整がうまくできない場合です。調整がうまくできないというのは、力が強すぎたり弱すぎたり、あるいは安定しなかったりということです。多くの場合は、必要な筋肉だけでなくその周囲の筋肉も含めて力が強く入りすぎのパターンになります。
これを改善するためには直接・間接含めて色々な方法があるわけですが、発声フィジ・エクセでは直接改善させる方法をとります。それが無酸素運動(筋トレ)とストレッチというわけです。筋肉に充分な力を生み出させるために無酸素運動(筋トレ)、力が入りすぎのパターンを修正するためにストレッチによる筋のリラクセーションを行います。
「お腹から声を出す」「喉を開ける」「声を前に出す」「口に響かせる」「肩を落とす」などのイメージトレーニング的な間接的方法はそのようなやり方に慣れている方には効果的でしょうが、うまくイメージができない方にはとても難しいものになってしまいます。筋トレとストレッチはその気さえあればどなたにもできることと思います。筋トレとストレッチというような直接的な方法を採る理由はそこにあります。 |
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2015 03,16 06:00 |
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◆発声のワンポイント解説◆ vol.004 2015.03.16号より
☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、テーマを毎号ひとつ選んでワンポイント解説します☆
発声トレーニングとかボイトレというと、たいていの指導者に「とにかく腹式呼吸ができなければダメ」と言われます。たくさん出ているボイトレ本をみてもほとんどが判で押したように「腹式呼吸で!」と書いてありますね。さながら腹式呼吸は神聖不可侵の神話のようです。でもその理由となると、力強い声になるから、声が深くなるから、大きく吸えるから、というものから、集中力が高まるから、どっしりするから、気が高まるから、支えとして不可欠だから、というものまで。これだけ多種多様ではちょっと説得力に欠けるというものです。
発声に呼気が必要なのはいうまでもありませんが、実はそこに腹式・胸式の差はありません。腹式の方が肺活量が多くなるということもありません。腹式だと声が続くというのも間違い。そもそも肋間筋などの胸式呼吸のための筋と横隔膜などの腹式呼吸のための筋の間に特に機能の差はありません。生物学的に考えても差をつける意味がありませんよね。要は息さえきちんと出ていれば声はちゃんと出るのです。胸式と腹式と二つあるのは、たぶん呼吸が生命維持に不可欠なので一方が使えなくなった時の予備システムだと思います。ちなみに通常は男女の差なく誰でも多かれ少なかれ両方の呼吸を同時にしています。その割合が人により異なるだけです。
ではなぜ腹式がこんなに推奨されるのでしょう。
問題は筋肉の場所です。胸式呼吸で主に使う筋肉は肋間筋ですが、呼吸補助筋として喉頭のそばにある胸鎖乳突筋や斜角筋も使います。胸式呼吸をすると多かれ少なかれこれらの補助筋にも力が入りますので、場所が近い喉頭筋にもつい一緒に力が入ってしまいます。そのため胸式で発声すると声道が狭くなって声が小さくなったり、響かなかったり、長く続かなかったり、ということが起こってしまいがちなのです。一方、腹式呼吸で使う横隔膜や腹筋群は喉頭から遠いため、こちらのほうは喉頭の動きに影響しません。従って呼吸によって声道が狭くなることもありません。腹式が胸式よりも有利な点はここにあります。逆に言えば、喉頭に余分な力さえ入らなければ、胸式であっても一向に差し支えないということになります。胸鎖乳突筋や斜角筋だけが働くようにコントロールすれば良いのです。
ただしウォームアップやトレーニング、呼吸のコントロールのしやすさ、ということまで考えると確かに腹式の方がやりやすいと思います。腹筋群は場所的に見やすいですし、筋肉も大きいので確認が容易ですから。
つまり腹式呼吸に良い点があるのは確かですが、その主なメリットはトレーニングがしやすい、ということに尽きます。ですから胸式の方が自分には合っているとか、腹式は練習しにくい、という方は胸式を選んでいただいて全く構いません。腹式呼吸というものは神話化せねばならないほど絶対的なものではないのです。
次回はこの続編、「腹式呼吸トレーニングの誤解」をお届けします。
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2015 03,02 06:40 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.001 2015.03.02号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ リンク→ http://www.nict.go.jp/press/2014/01/27-1.html 一年ほど前のプレスリリースですが、面白い話なので載せておきます。独立行政法人 情報通信研究機構によると、同レベルの初心者の運動の様子を触覚で感じつつ練習すると、一人で練習する場合に比べて、効果的に運動学習が進むことがわかった、とのこと。しかも相手が自分より下手でもペアの方が自分の成績は上がるそうです。まだ理由は解明されていないそうですが、とすると発声トレーニングも誰かとペアになって喉や呼吸筋に触りながら練習すると、一人でやるより上達するのかもしれませんね。 |
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2015 03,02 06:35 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.003 2015.03.02号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆
Meng Jiang ほか「The Effect of Sound Intensity on Velopharyngeal Function in Normal Individuals」
ーJournal of Voice : 2015 Vol. 29, Issue 1, Pages 44–52
日本語の大体の発音を出す時には軟口蓋という上あごの後ろ半分にある軟らかい部分が上にあがって鼻へ過剰に息が抜けないようにしているのですが、この軟口蓋が長くて鼻腔と口腔を分けて閉鎖する能力が高い人は声が大きかったという研究。理由は謎ですが、声が鼻に抜けると音響的に分散するので小さく聴こえるということならありそうです。鼻咽腔閉鎖力を鍛えるには強く吹く練習が一般的ですから、発声フィジ・エクセの負荷ブローイングがちょうど当てはまります。負荷ブローイングは声量増加のエクセサイズですから本当にそうなら理にかなっていますね。
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2015 03,02 06:30 |
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◆発声&運動トレーニングトピックス◆ vol.003 2015.03.02号より
☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆
Mara R. Kapsner-Smith ほか「A Randomized Controlled Trial of Two Semi-Occluded Vocal Tract Voice Therapy Protocols」
ーJournal of Speech, Language, and Hearing Research : February 11, 2015.
長い管をくわえながら発声させると声が良くなるというチューブ発声法と、割とよく使われる発声機能エクセサイズ vocal function exercise を群比較して効果の差を調査した研究。結果、チューブ発声法は特に劣った成績ではなかったというもの。なかなか効果研究の報告がなく今ひとつ広まらないチューブ発声法ですが、おそらく良くなる仕組みがはっきりしていないことがマイナーな原因のひとつでしょう。イメージトレーニングの一種のような気もしますが、方法としては簡便なので、これで少しやってみようという人が増えるかもしれません。
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